市民オンブズマンいばらき新春交流会・大川弁護士の講演

去る1月14日県西地区・下妻市で「市民オンブズマンいばらき」の新春交流会が持たれ、、これまで一貫して談合問題に取り組んで来られた、かながわ市民オンブズマン代表幹事の大川隆司弁護士が「談合問題を改めて考える」と題して講演を行った。
昨年8月に公正取引委員会から、県段階で全国初の官製談合の摘発があり、多くの業者が排除措置の対象となり課徴金も命じられた。そういう事件の後なので関心が高いのではないかと思ったが参加者は20名ほどと少なく、せっかく遠路おいで頂いた講師にはある意味では申し訳ないような参加者数となった。以下半分も書きとれなかった老人の拙いメモで報告します。
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                               大川弁護士
談合という言葉に当初はいかがわしい意味はなかったそうだ。相談という中立の意味だったものが、公正な価格を害し、不正な利益を売る目的に使われたことから談合に暗い色合いがついてしまった。戦後暫くはお金が動く談合が悪い、動かなければ談合も良い、となっていた。昔はやくざが絡んでやる談合があった。これは建設業界に限らない。地域の飲食店に一斉に『10円値上げしろ』、と縄張りを持つ暴力団が迫る。文句を言うやつは制裁すると言ってそのうち5円を取り分とする。やくざが仕切って客に文句を言わさなければ店も5円儲かる訳だ。文句を言うとどういう制裁があるか判らないぞ、というのが元々のやくざの談合。 
それと違って仕事をローテンションする、綺麗な談合、という形もあった。お金を動かさなければ綺麗な談合。(だ、として昔はそういう是認の一審判決も出た。老人注1968年8月27日の大津地裁判決(滋賀県草津市等の上水道工事に係る入札談合事件)
公取の初めての介入が1982年、それまでは談合防止法は抜かない宝刀だった。アメリカが公共工事参入に障壁があると怒って、それに対応して公取が動いた。それ以後は発注者側の協力によって成り立つ談合になった。

官製談合は1、談合の明示的な指示→仕様を特定して発注する、→その業者しか技術を持っていない。2、受注者に対する意向の表明→業界の意向に沿う。長崎県連献金事件、自民党県連への献金の為材料費を上乗せして受注、その分を迂回献金。職員に限らず政治家が天の声を出す。3、秘密情報の漏洩→予定価価格を教える。4、指名権の行使等による談合幇助→とても着手できないような地域の業者を形だけ指名して参入を仮装する、参加して落札しても遠くて工事に入れないから実際には地域の特定業者しか落札できない。

06年に法が改正され5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が導入されたものの関与行為の類型が狭すぎ機能していない。地方政権の与党と建設業協会の癒着があり、選挙で応援する→応援された首長・議員が天の声を出す。   今は現場の第1線は談合の現場ではない,上部で現場に関係なく談合する。聞かれると現場の営業職員は汗を掻き、互いに殴り合いするほど競争していますよ、と答える。それが事実の場合もあるが、上部の役員などで決めてしまう。

建設業界に限らず、寡占化した機械メーカー(屎尿処理施設、ごみ焼却炉、など巨大技術のところ)、造船重機なども多い。今はI・Tなどが問題、業界が住み分けしてしまっていてお役所が介入できない専門的分野が問題である。建設業界がメインと思ったら間違い、先端部分が酷い。

良く落札率が問題になるが単純に落札率でどうとは言えない。市民は資料を集め45条(公正取引委員会に対する措置請求権→独禁法45条)を活用すると良い。公取への通報は年間7~800件あるが立件するのは7~80件で20件に1件くらい、着手すれば犯則調査権があり、調査だけでも官に影響が大きい。

市民側としては『談合屋の仕切りに従いたくない』、という業者がどこにもいるはずだから、そういう真面目な業者を探し、支援し共に手を組んで改善したい。

Q 条例で罰則を決めたり、内部告発者に報償を出すことはできますか?
A 出来ます。アメリカには西部劇の時代から賞金稼ぎの伝統があり、悪に対して決起したものに対価が与えられて当然という伝統がある。、官が失われなかった利益、不正暴露によって回復出来た利益の1割2割を通報者に還元する法律がある。報賞金額は何十億円、何億円にも上ることがある。告発者はその会社にもう居られないから一回きりだが、そういう摘発を専門にサポートする弁護士も居、NPOもある。社会全体の復元力として有効だ。(老人注・アメリカの連邦公務員を対象とした、ホイッスルブロワー(内部告発者)保護法、上場企業の従業員を対象にした企業改革法などがあり、最も優れているのが不正請求防止法→内部告発者が不正請求の回復に貢献したら、その回収額の15~30%を報奨金として受け取れる。指摘された勤務先は不正額の3倍のぺナルティを受ける←08・10・1『内部告発inアメリカ』朝日新聞記事・奥山俊宏記者筆から転用)

Q アメリカにはそういう土壌があるが、日本では類似の審議会に弁護士が入ると罰則軽減の方向に働くのではないか、弁護士にそういう動きはないものか?
A 刑を軽くすることに傾くという事はないのではないか、アメリカの例を取り入れろ、という声はすでに出ている。地方議会・議員は利益に引っ張られることが多い。指名停止期間などでもぺナルテイ軽減と働くことが多い、それは業界の票と金の力が侮れないからだ。改革できたところは長がそういう票をあてにしなかったところ,首長が号令をかければ有能な職員は働く。そうすれば入札で浮いた金は更に土木建設事業にまわって活性化する。

Q横須賀方式が先進的と言われるが一時60~70%になって撤退した業者も出た、今は85%くらいになっている。上手にクリアして対応しているのではないか?
A横須賀は当初80%に設定した。いったん指定したら、右翼の街宣車が来た。議会が上げると対応して85%になった。岐阜の桑原さんという方が希望社という会社をやっていてここは談合に加わらないと言って頑張っている、希望社の場合70%切ってもやっていけると言っている。官の設定する予定価格に遊びがあれば60%でも利益が出る。

Q うちの市では予定価格ではなく、希望価格としてくじ引きした。まず予定価格の小数点下十の位を引き8、次に1の位を引いて3なら、希望価格は93・8%になる。これ以上は失格、こうして談合がし難くした。予定価格は事前公表するなと主張したら、業者があの手この手で担当者職員に探りに来るから業務に支障が出るとして実施しない。
A オープンにした方があとくされがない、がオープンにしない方がいいと思う。予定価格は絶対ではない、上限価格に拘束性を持たせなければ実害はないのではないか?

Q 予定価格は公表すべきだと思う。難しい。
A 座間の例では、公取が入ってくるから談合はもうやめますという業者が出た。するとその業者をつぶすために特攻隊を出した。採算以下で落札して、その止めますという業者を干してしまう。特攻社には後で他の工事で埋め合わせするという手口。それで公取が動いた。きっかけとして談合に政ろわぬ(談合から脱退しようとする)業者をどう探すか、が問題。業者が先頭に立ってやるというのは無理。入札、契約の不具合をどう見つけるか?こちらがお膳立てして協力してもらうのが良いのではないか。

Q 県西地区の今回の談合の場合、所長などが示唆したとなっているのに、金品を貰っていないから立件されないのでしょうか?
A金品の介在は(立件に)問題ないのだが、今までが金品が渡るからと政治の方へ波及し関連付けて立件した。金品授受には関係なくそれだけで立件できる。警察検察は談合そのものではなく入口として贈収賄につながって大きな手柄になると張り切る、汚職を表すサンズイにいきり立つという伝統がある。警察が動かないなら住民が直接検察庁に行くべきだ。

Q 当地は山口武平という強力な政治家がいて抑えているが告発できるだろうか
A 警察が地元の政治家に気兼ねするのに対し、検察はやるかも知れない、国家機関としてやる事はできるし、警察と利益は違う、立件を求めることはできるのではないか。
公取は着手から1年以内に結論を出す。捜査に着手すると普通は談合は一時止む、立件できるのは談合が止んでから遡って3年分、しかし調査はそれ以前まで、談合が何時から成立していたか、何時始まったか調べている。すると市民としては3年どころか5年でも7年で損害があったと返還を求めることができる事になる。参考にして取り組む事をお勧めする。
                                                             (以下割愛・文責は老人)


参加者のうち現元議員が6人、監査請求・訴訟経験者が10人以上、ブログ、ホームページ、新聞発行など積極的発信者がこちらも10人以上居ました。

そのうちの那珂市でミニコミを発行している白石孝良さんから、開会前に今、抱えている訴訟について短い報告がありました。
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                    白石会員
           那珂ジャーナル最新号↓
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大川さんはこの後懇親会でも多くの質問に対し知見を披露されたあと遠路はるばるの筑波山を後に横浜へお帰りになりました。さて地元の刺すような視線を撥ね退けて意地を通そうとする、監査請求から住民訴訟にまで進行しようという市民は居ないものでしょうか?

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京都・精華町で業者自らが談合摘発に決起した例が報告されました。覚悟の監査請求提出のようですが、談合を是としない狷介な人を心から応援したいと思います。



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