工事変更

自治体が予算を立てて事業を計画したら、道路であれ建築であれ事業は貫徹されなければならない。請け負った業者ができが悪かったからと言って施設建設の途中で、或いは道路に穴をあけたままで工事を投げ出させる訳には行かない。  工事の途中に計算外の支障が出たら、幸い事情変更の原則という扱いがあって、契約金額を変更して事業を完遂することができるし、又、完遂しなければならない。


平成23年8月2日県土木部・境工事事務所発注契約の国庫補助・地道(特定地方道路整備事業?)・道路改良工事、工事番号第23-03-190-0-001号は当初4700万円(税抜き)の予定価格に対し3941万円(落札率83,85%)で落札され(株)福島工務店が受注に成功した。工事期間は翌平成24年3月までの226日間約7か月である。   工事は翌年3月12日完了し出来形判定で良となり、成績は78,9という評価だった。途中1回の工事変更があり11,539,500円(税込)が追加された。


この工事は以前、老人が指摘した、特殊な日程に関わっている。   平成23年6月27日、公取が悪徳官製談合を調査認定し、業者に処分を内示した。  慌てふためいた周辺関係市長、町長は10日も経たないうちに、県会議員、市議会議員、土地改良区理事長、商工会長など地域の有力者は、ひと月ほどのあいだに、予てたっぷり粉を掛けておいた橋本知事にまだ決まっても居ない指名停止措置の軽減を陳情し、結果いかなる力学が働いたのか停止期間は1社のみ1年、3者が9か月、残り55社は6か月という大甘の指名停止期間となった。   平成15年に創設された10%の談合違約金条項はその後、18年に悪質な場合15%に引き上げられ、19年には更に、悪質な場合20%にまで引き上げ、指名停止期間を強化する(最大12カ月を→24か月)とされていた。  しかしその改革案らしき≪茨城県建設工事等請負業者指名停止等措置要領≫は、官僚が仕組んでおいた、第4条第3項「知事は~(中略)指名停止の期間を2分の1まで短縮することができる」という骨抜き条項によって、長期指名停止は地域基幹企業の倒産を招きかねない、結果雇用も脅かされる、という逆さまの理由を最大限に標榜吹聴しつつ政治献金やパーティー券購入などの日頃の仕込みに応え報いる形になった。

その公取内示から処分正式発令の8月8日までのあいだの7月29日に、この尾崎境線・古河市恩名の工事は開札されている。参加業者は17社、全て公取の内示を受け、来るべき排除措置を予想して重い気持になっていたに違いない。互いに連絡を取りあっていたであろう事も容易に推察され得る。 →県のお偉方や、調査委員会は公取着手後談合は無くなったと見ているようだが落札者を除く16社が、全員最低制限価格を下回って失格になり、福島工務店のみが条件をクリヤして合格したこの茶番をどう見たであろうか?  各社が自由に才覚を発揮して入札に参加する時、そのうちの16社が雁首並べて制限価格に触れるなど言うことがあり得るだろうか?偶然にしてはできすぎではないか?

7月29日開札

又、この時落札率が低かったからと言って、仮にそれが談合であっても公費の節減が図られたから良かった等ということが成立するとは限らない。
見たとおり、高度精細に積算されたはずの入札工事額は、いとも簡単に工事変更によって20%以上1000万円以上も増額になり結局当初の設計(予定)価格に対し100%を超える金額になっている。  公取通知があってやがて指名停止が来る事は確実だ。指名停止になる前に工事を確保しておきたい、しかし自由に入札すれば誰が落札するか、幾ら位が落札ポイントになるか判らない。しかし最低制限価格に入れておけば受注の確率は高い、他社は全て失格ポイントで協力する。で、落札後は「突発事情」で工事変更し工事費増額を図れば問題はない!


かくして、談合はしまい、談合したらぺナルティを与えよう、受けよう、その痛みによって公金の詐取を防ごう、関係者は襟を正そうという考え方は一顧だにもされず見事に骨抜きにされた。指名停止が来る直前に工事を受けることによって福島工務店は(8月8日からの指名停止の6か月をすり抜けて)翌年3月までの228日間事業を継続し、低い落札率で受注した工事は工事変更によって設計金額に近い(否、それ以上の)工事費を請求し、殆ど無傷で今回の指名停止措置を無力化し僭脱した。

こういう会社がこの時の→23年7月29日の開札には何社もあるのだ。  

           
朝日建設は工事番号23-03-456-0-010・予定価格税込6200万円のところを税込5393万100円・落札率84,32%で落札したが工事変更で1067万8500円を増額し結局6460万8600円で完工した。当初予定価格の100,9%に当たる。工事完了は24年6月、指名停止6か月は骨抜き。

坂間工業所は工事番号23-03-456-0-011・予定価格税込6510万円のところを税込5489万4000円落札率83,45%で落札したが工事変更で745万5000円を増額し結局6234万9000円で完工した。当初予定価格に対し95,8%に当たる。工事期間は198日、丁度6か月の指名停止期間に当たりぺナルティになっていない。

染谷建設工業は工事番号23-03-862-0-011・予定価格税込3255万円のところを税込2716万3500円落札率84,32%で落札したが、工事変更で790万6500円を増額し結局3507万円で完工した。当初予定価格に対し107,7%に当たる。工事完了前に指名停止期間が溶けた。

前述の通り、福島工務店は工事番号23-03-190-0-001・予定価格税込4935万円のところを税込4138万0500円(税抜き3941万円)・落札率83,85%で落札したが、工事変更で税込1153万9500円を増額し結局5292万円で完工した。当初予定価格に対し107,2%に当たる。

太信建設は工事番号23-03-190-0-002・予定価格税込4515万円のところ、税込3743万2500円(税抜き3565万円)・落札率82,91%で落札したが、工事変更で税込1014万3000円を増額し結局4757万5500円で完工した。当初予定価格に対し105,4%に当たる。 工事期間は226日、6か月180日の指名停止は全く響かない。

大近建設は工事番号23-03-456-0-012・予定価格税込6405万円のところ、税込5317万2000円(税抜き5064万円)・落札率82,91%で落札したが、工事変更で税込238万3500円を増額し結局5555万5500円で完工した。当初予定価格に対し86,7%に当たる。工事期間は198日、指名停止は名目だけ。

宇都木建設は工事番号23-03-456-0-008・予定価格税込3307万7500円のところ、税込2778万3000円(税抜き2646万円)・落札率84,00%で落札したが、工事変更で税込252万円を増額し結局3030万3000円で完工した。当初予定価格に対し91,64%に当たる。工事完了は5月30日、既に6か月の喪は疾うに明けている。

内田組は唯一12カ月の指名停止を食らった地域の幹事社であるが、工事番号23-03-456-0-009・予定価格税込6510万円のところ、税込5566万0500円(税抜き5301万円)・落札率83,50%落札したが、工事変更で税込535万5000円を減額し結局5030万5500円で減額完工した。  これは当初予定価格に対し77,3%に当たる。内田組は精細、緻密な積算を誇り前年まで98%とか予定価格に対し99%等の入札を繰り返していた地域の領導会社である。 これが額面通りなら最低制限価格をも下回る工事費で事業を完工できたことは県職員も低価格ダンピング入札は工事品質が保てない等と寝言を言わず、今後の頂門の一針とするべきであろう。完成検査調書も出来高は良判定で評点も81,5と高い。  内田組はこの工事を198日、24年2月15日に完了した。指名停止期間の前の受注ということで処分は空洞化された。

が、同じ路線上で類似並行的22年度工事を24年3月26日まで437日間という工期で行っている。(つまり同時進行であって上記工事はおまけだ・下世話には××に××とも言う)  こちらは公取着手後の正常に競争性が働いたとされる時期22年12月の入札で、23年1月の開札で、予定価格税込9660万円の工事を税込8174万2500円・84,62%で落札している
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が、ご多分に漏れず3559万5000円の増額変更を行い、結果予定価格に対し121,46%というべら棒な1億1173万7500円で終了している。設計価格(予定価格)の20%増し迄増額変更されるなら談合を継続して貰って99%で納めてくれた方がましだ、というのは門外漢の見かたなのであろう。入札監視委員会などはこれらの事に目が行かないのであろうか? 流石は幹事社だ工事変更も半端じゃない、が、残存期間の24年8月まで、唯一指名停止の実質的発動を受ける事業者となった。



支援の近隣同業者、地域有力者、土地改良区理事や商工会長、市長、町長、市議会議員、県会議員、大学教授、弁護士、行政監査監察室、土木部、農林水産部などの優秀な県職員にとっては、つまり茨城県保守層にとっては談合が悪いのではなく、談合が露見してしまった事が都合が悪い、不味いのであって事態(官製談合体制)を改善する気などさらさらないということだろう。如何に談合状態の高精度化、緻密化、密室化に腐心するかが課題なのであろう。内部通報制度の利用が実質皆無で、不正を糺そうとする者を密告者、裏切り者、けつの青い坊や、ボケ老人などと言って疎外・迫害する官吏・公務員が、うすら笑いをしつつ制度と手続きを歪めているのでなければ、これほどの談合企業保護育成支援持続の説明がつかないのである。  勿論地域経済の活性化、地元企業の育成、雇用の確保等とヤニさがっている一般市民も愚かな傍観者共犯者であることは言うまでもない。


地域経済などが税金分捕り合戦の犯罪を維持することで保たれているとしたら、何と気色の悪いことだろう。そんな事に些かの正当性をも与えるべきではないのではないか?←しかしなぜボケ老人の錯乱は斯くも虚しく蒼空に吸い込まれて行くのだろう。





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