茨城県(入札談合等関与行為)調査委員会

時間は誰れにとっても平等に流れる。1日は24時間だし1年は365日だ。22年9月に公取の調査が始まり、翌23年8月に談合が認定され排除措置命令が出された。 直ちに県調査委員会が設置され半年後の翌24年2月に、結果報告書が出された。

それからもう1年になる。  報告書を熟読したものは少なかったであろうし、その中身を精査しようとした者は恐らく皆無であったろう。時間は流れ、官製談合など片隅の些細な事だったかのような、あるいはなかったかのような、衆院選での自民党政権再登場と国土強靱化を標榜する公共事業予算への期待で建設業界は勢い込んでいるようだ。

以前県調査委員会について、その調査の結論なるものはお茶を飲んで駄弁っていたって辿りつけるようなものに見える、と書いた。なんと言っても『公取が立件した案件以外に確たる証拠をつかむことができなかった、公取のような法的権限がないから調べられない』、という意味合いのものだ。

平成9年頃から談合はあったという証言もあった、が古いことだし資料も残って無いから遡れない、という文言も見える。まじめに調べようとしたが時の流れ、時間の壁に遮られて究明は過去に及ばなかったというニュアンスを強調してもいる。

ところが茨城県境地域(旧総和町)での談合は今回が初めてではない。平成8年に33社に対し排除勧告が出されているのだ。
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        クリックで拡大 ○印は今回の違反と重複      

今回の排除措置命令と同じ意味合いでの「排除勧告」を認諾して課徴金を課されたことは同じ態様だ。 その後法的不備を補う形で独禁法の排除勧告は、措置命令に精緻化されている。そしてこの時の総和町談合33社の中に今回も重複して談合を認定された会社が13社もあるのだ。  すると聞き取り調査や書面調査に「談合は平成3年頃からあった、」とか「平成9年頃からあった」と証言した職員や業者があった時、前回の談合との有機的関連を糾明しないことは意図的なサボタージュ、犯罪的な遮断になる。


つまり、談合がどのように続いていたか、職員とどのようなルールで関わったかなどを調査検証するのではなく、途切れることなく続いていたらしい腐敗の痕跡から目を背け関連調査を遮断して収まり返っているのだ。  お茶を飲んで駄弁っていたのらまだしもかわいいが、『上辺だけ従順を装って課徴金を納め、裏ではペロリと舌を出しながら直ちに談合を復活し、高度化して継続していた』らしい地域業者達の実態を隠蔽したとしか思えない「調査」をしていたのだ。

【自治体の公共契約談合には、過去の事例からも他業種の実例からも、当然地域有力議員・首長・土地改良区・農業委員会委員の口利きなどの関与が想定される。今回の官製談合には金品の授受は無かったとされるが、剥き出しの贈収賄ではなくとも、一方で酒食の饗応・ゴルフの接待、他方で人事関与、配転圧力などソフトな抑圧は他の談合でも常態化している事であり、今回の県調査でもそういう部分への関与糾明が届かなかった、又は視野に入っていなかっただけで、当事者職員や業者は内心にぶちまけたい煩悶を抱えていたかも知れない、と思えるのだ。←そこに照準を合わせる事のできない異議申立には避け難い限界があるが一種の難問だ】


その間、入札制度がどのように改善可能か、先進事例に学ぶとして11月1日埼玉県に視察に行き資料を貰ってきて勉強している。業者への面談調査にしても一人30分とか2時間に5人とかでとても立ち入って聴聞するような体制になっていない。委員会報告では公取命令対象工事以外に「談合したと認めた業者は皆無だった」、としている。表現は適切ではないかも知れないが泥棒に面と向かって『泥棒しただろう!』と聞いても『はい』と答える訳があるまい。証拠を突きつけて、例えば公取の命令に反発せず、従順に従って課徴金を納付したなら、談合を認めたことなのだから、委員の聴取に談合したと認めなかったものにはなぜそこが乖離しているのか究明しなければなるまい。 第一、そのような踏み込んでの聴取がなされたかどうかも疑問だ。業者の聴取を担当した委員は3人の弁護士だが、どなたも永年に亘って県の労働委員会、収用委員会、男女共同参画センターなどの会長や委員を務め、県行政に随伴し、長期政権を支えてきた方々だ。業者が率直に周辺事情を吐露できる枠組みであったか疑わしい。



こうして3回目に初めて全委員が揃って委員会が開かれているが、ほとんど全ての案件で県職員が落札予定者を決定し業界側の境支部長に事前に通知していた、としながら個別の案件の証拠を掴むには至らなかったとしてノンリケット→真偽不明の彼方に逃げ込もうとしているのだ。


老人は性根がねじ曲がっているので、この調査委員会はお茶を飲んで駄弁っていたのではなく、前回の談合と連続連関していたことを遡って探るような、出しゃばった真似をしないように心がけていたようにしか考えられないのである。

5委員のうちお二人は常設されていた県の入札監視委員会委員でもあった。一体何を監視したり調査したりしていたのだろう。県のページを見ても常設委員会がこの不祥事以後再開されて公取命令後の工事契約がどのように審議(監視)されたかは定かでない。


注)高知県で出された工事談合公取排除命令には、30社のうち1社が不服として審決を申し立てたそうだ。談合していないと言い張るなら異議を申し立てるのが当然である。県は談合の賠償金として14億円余を請求








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