1年経ってもまだ40%! 談合違約金納付

平成24年3月6日、茨城県官製談合発覚に対し、県は『談合の場合賠償金を払う』という条項を持つ「県設工事請負契約」に基づき約11億円の違約金を58業者に請求した。 この請負契約は度重なる談合に対する対応策として、県の入札に参加しようとする時必ず締結しなければならないとされていた。滅多なことでは談合がばれることはない、とたかを括って成立した制度、建設土木関係者が嫌々承諾したかも知れない条項ではあったが、  関係者が襟を正そうとした条項で、談合事例が顕在化すれば、渋々であっても発動しなければならない。  そして今回は公取の調査が入って醜い実態が白日の下に曝されることになった。新聞にも大きく報道され、県民に衝撃を与えた。
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↑は公取が確定した294件に対するぺナルティとして工事費の15%を違約金として請求した表である。 この294件は落札した業者58社に請求された。  その時各工事案件の入札に参加して幇助した業者、互いに以後の工事では、落札者と入れ替わって次のチャンピオンとなる共犯業者にも応分のぺナルティをかけなければ論理整合・首尾一貫しないことから、その詐取被害分をどう算定するかが問題となった。 事前に落札者が決まっている入札に参加し→指示により落札者より高い金額の札を入れる→受注調整協力によって→では悪党どもが県に一体幾らの損害を与えたか、どのような被害が生じたとすべきか?


普通に考えれば、談合終局後の正常な入札競争時の落札率との差を想定するだろう。談合で95~99%に高止まりしていた落札率は、公取介入後談合ができなくなって一時83%程度に下落し、その差は12ポイントから15ポイント程度であった。(その後又上昇して88%前後になっている)

県はこの時その損失分を算出するに当たって、水門談合や青森市土木談合など、国交省等の前例を捻じ曲げながら踏襲し、茨城県内他工事事務所などの3年間の工事落札率平均を、正常な競争の結果の率であると考え算出した。  その結果を想定落札率として、それ以上の落札率での工事にのみ損害が発生していて、それ以下の率での落札工事には公取課徴金命令案件であっても損害は生じていない、とした。↓
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例えば、想定落札率が96.1335%であるとき、談合だった工事が98%5000万円で落札されていれば、98%-96,1335%=1,8665% が実損率であるとして 5000万×1,8665%=933,250円が損害金額として生じていたとする。1工事に付き平均6~7社が参加していれば、7社に同時にこの金額933,250円づつを賠償請求する。250件×約6.7社で1682者であり、誰がどこまで粘って納付を渋るかチキンレースの開始である。
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↑そしてこの額を不真正連帯債務として全参加業者(と一部職員)に同時並行的に請求した。


不可解な公取委は、3年半を通じて談合が恒常的に仕組まれていた、と認定しながら、ある月の5件中4件には課徴金をかけ、翌月の8件中3件は除外し、又翌々月の6件は談合があったとしてよろめきながら排除命令を掛けている。


談合が組織的、継続的に続く犯罪である以上、談合可能な入札には全て悪党どもが受注調整を企んでいた、と考えるのが自然であって、ある時正常な入札競争を行い、翌月には談合して公金の詐取を謀っていた、又翌月には真っ当に競争した、などというお伽噺はあり得ない。 


仮に談合破りで、1年に2~3件鉄砲を撃つ者が出れば、その数件のみに急激な落札率低下が実現してその記録が残る。それは霧箱に飛来した放射線の飛跡のように明確な痕跡として指摘できるにもかかわらず、公取が98%等の案件を課徴金対象から除外免責したことが県の調査曖昧化・縮小化を勢い付けた。


それまで数十件数百件の通算落札率が98.5%などと95%以上に高止まりしていたのに、突如83,6%などという札が入り、最低制限価格周辺に2社が競合するような開札が談合の一時破綻を証明する。そういう痕跡を熟知しながら公取は予定価格に張り付いて全員が96%以上の応札で続くような何件もの疑惑の工事を見逃した。   県には自ら談合を根絶しようとする姿勢など初めから全く見られず、公取の排除対象(直接談合の恩恵を受けた汚い奴らだ)のみに、最小限の賠償請求対象者として違約金を請求することで→公取が97%の案件などを免責しているのだから→他の膨大な疑惑案件も除外すべきだ、そこは当然触れたくないのだから→触れまいとすることで、事態の沈静化歪曲化終息化を図った。


しかし、賠償請求から1年以上経っても悪徳業者たちが違約金の40%程度しか納入していないことが判った。↓
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談合すれば手痛いぺナルティを掛けられる、だから抑止力になるだろうという制度的手当ては、県民の無関心を梃子に、暗欝に陰険に骨抜きにされようとしている。  既に高知や沖縄鹿児島などでは課徴金の減額や分割納付、期間繰り延べ等が周辺議員、議会、首長などから要請されていて本末転倒の醜態を曝している。

最小限条例適用による違約賠償金徴収は速やかに実行・貫徹されなければならない。


県「入札談合等関与行為調査委員会」の筆頭指定職員だった当時の副知事上月良祐氏は退任して、今次の参議院選挙に自民党候補者として出馬する。    この調査委の調査経過全体が談合解明の抑圧、調査の妨害、糾明の曖昧化ではなかったかと早くから思っていた老人には、県官僚が議員となって別の政治的回路から談合状態の精緻化、高度化を図るのではないかとの懸念を払拭することができない。   談合被害解明の鎮静化、なし崩し化という成果を引っ提げて選挙に打って出る高級官僚を支援しているのが、自民党の厚い支持層を形成し、全く反省の無い建設土木業界であることも常識である。

又、5期20年在任中で不正経理や建設談合などを内包し血肉化して来たとしか言いようのない橋本昌知事も、地域の首長たちの推薦に乗って6期目の出馬を表明している。

県の担当者は、違約金未納には遅延損害金の上乗せも含め厳格に徴収して行く予定だと言うが、6期24年も続きかねないような多選知事支配の下、配置換えになって異動すれば、これらの請求も有耶無耶になってしまうのではないか。  新たに所管に着任する職員が、果たしてお上の意向に逆らってまで業者に果断な請求を続けられるかも不明だ。


談合被害回復の状態や、関連の異議申立に何の関心も持たないような市民、県民は健全で幸いである→大いに寿ぎたい。



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