職員は一銭も払わない!

高知県官製談合に関して国交省に設置された調査委員会の報告書には次のような調査結果が見える。

(調査基準価格‹の漏洩›を望んだ事情) ←(着色部分は引用者の想像)

世話役による入札談合を繰り返していく中、平成22年頃から、一部の業者がその割り付けについて不満を持ち、平成23年3月頃業者間の争いが生じ一部の業者との談合が困難となった。また、同年3月に一部の業者のうち1社が事故を起こして評価点が下がる中で、当該業者に割り付けを行う事が困難となったことも談合の合意を困難とさせた。
これら一部の業者は、これまで談合に加わりながら落札予定者より低い価格で入札を行う(「鉄砲を撃つ」)様な事があったため、(仕切り屋が)これら一部業者が落札できないよう排除する措置を取る必要が生じた。

(鉄砲を撃った業者は調査基準価格ぎりぎり(≒普通は最低制限価格に近似)で入れるから(何社もが最低制限価格で競合することになり)、そこは動かせないが、総合評価点で、反乱業者より上回るよう仕組んでしまえば同じ金額での入札でも談合グループが仕切った予定者が評価点で勝てる訳だ。)

その結果、副所長から調査基準価格をも聞き出すよう働きかけた。


人事異動で着任した副所長などの後任者は、自分が業界対応の責任者であり、業界から投げかけられた問題は自身で解決しないといけないと思い教示を求められた総合評価点数等の情報が談合に使われることは認識しながら(漏洩に)応じたとしている。、(「投げかけられた問題」などと曖昧化してソフトに表現するが、仲間割れ、業界の争い、醜い利権争いだ。副所長ポストが歴代、談合の結節点に座って入札を左右できる立場であることを引き継ぎ事項として熟知していた訳だ


土佐国道事務所では平成18年~23年頃の歴代4人の副所長が、ミタニ建設社主の、働きかけを受け、前任者が教示していたことを聞かされたことなどもあって、当初は断ったものの、業界のためと自身の責務である円滑な工事施行のため、業界との関係を良好に保ちたいという思いから、断り切れなかった、と供述している。(当初拒否したかどうかは限りなく疑わしいが金額などを洩らす談合が既に強固に先行定着していた訳である

現地企業のボスに
『前任の××は地域の事情を汲んで談合に加担して呉れた、後任のあんたは嫌か?しかし拒否するなら前任者の所業を暴露するぞ』と迫られて、それでも談合加担を拒否できる者はどれだけいるだろう。



国交省の『高知県内における入札談合事案に関する調査報告書(7ページ~8ぺージ)』は、できるだけ穏和な言葉で、止むを得なかった軟着陸ででもあるかのように、緩やかなニュアンスで誤導しているが。

しかし、土佐電鉄の脅迫事件でも見られるように、実際のやり取りが暴力団紛いの脅迫、強要に近いものであったであろうことは明白だ。 前任者や事務所全体が談合に染まっている、自分も同じ輪に入らなければ、情報漏洩を公表されて工事事務所・整備局全体の醜聞になる、断れば何されるか判らない、自分も加わってしまえば当面、業界ボスの暴露は阻止できるし、威迫からは逃れる事ができる。今まではうまくいっていたのだから・・・



それにしてもこの『社主』という存在は如何なものか。某新聞社主の横暴、規範意識欠如は夙に有名だ。



官製談合によって何年間も、数百件もの建設土木工事を悪徳業者連中に勝手放題の金額で落札させ、なすがままに放置した(疑いのある)茨城県職員にも公取命令から波及した調査によって、連帯債務として形式上賠償請求がかけられた。  ↓
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しかし生殺与奪の権限を握っているお役人様に負担をかける訳にはいかないし嫌がらせも困るとしてか、卑屈な業者は職員に関わる分を逸早く納付した様だ。

24年6月の県議会・農林水産常任委員会で当時の梶岡議員が質問して↓
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県側部長が、既に職員に関わる分は完済されていると答弁している。つまり賠償を請求したと言っても形だけ、体裁を取り繕っただけの処分だ。この根底にはどの工事事務所でも同じような談合が仕組まれていて、もし今回堺地区職員に本気で数百万、数千万円の賠償を請求し職員が払う事にでもなったら、同じシステムに組み込まれている多くの職員の身に跳ねかえりかねず、危なくて澎湃たる不満と怨嗟の声が巻き起こって、暴動が起こりかねないからだ。金品の授受や酒食の接待、贈収賄が(今回はこれらはないとされた)表面化しなければ職員への損害賠償請求は形式だけで、それらは元々談合によって業者に流した税金だから、不当に得た分を業者が還流返還すれば問題ない、というメッセージが底流にある。  業者からは、官製談合で職員が共犯なのだから、その分違約金を減額せよという不満が流れている。


汚職で晩節を汚した前竹内藤男知事の在任期間は1975年4月 - 1993年8月(当選5回、18年)であった。現橋本昌知事も既に5期20年も続く長期政権である。通算すれば38年間!約40年も!自民党系知事の中で生きてきた県公務員にとっては、上層部の意向を汲み担当部門に波風を立てないで、汚職であろうと違法であろうと前例に組み込まれて行くことが職場を生き抜く必須の条件なのであろう。知事や自民党系県会議員は、更に地域の市町の議員首長と選挙支援で結びついているから、市職員も県議、市議、地域有力者などに擦り寄って、工事発注に便宜を図ることなどは役所で生き抜き、退職後の天下り先を確保するためにも、不可欠の方便であるに違いない。


高知でミタニ建設社主から『前任者はやっていたぞ、あんたも同じように・・・・」と迫られた形は、あらゆる土木事務所、国県市町の契約管財を担当する者が直面する雛型なのだ。前任者職員が首長や議員の意を汲むことによって業界・地域の談合体質に染まっている時、後任職員がしきたりを排して正常な入札を確立しようとすることは至難の技だ。新首長が先頭に立って談合を根絶しようとし、業者の使い走りになり下がっている議会・議員の陰険な抵抗に屈しないとき、初めて配下も脅迫を撥ね退け屈服を拒否することが可能になる。



大体不正入札として公取から摘発された工事案件の落札率よりも、茨城県下各事務所発注工事案件の正常な競争下に入札が行われたとされる落札率の方が高かった等という数値を、真面目に基準想定落札率としている神経が異常としか思えない。

これでは、県担当者にとっては談合した案件の方が低価格で契約できていたことになって、談合を容認したほうが勝っている理屈になる。正常に競争したら予定価格の96%~95%であり、談合して95%以下になったのなら全件で談合を奨励すれば年間公共工事予算の1%以上が削減できることになる。想定落札率算出には矛盾があり、容認し難い意味が内包されていることに県職員は気付かないのだろうか?


事実は公取摘発の境地区だけではなく全県で談合が仕組まれていた疑いが強い、ということだ。   高知で後任者が、脅迫に直面し屈した状態は又、全自治体の契約管財部門に共通する剣吞な暗部でもある。


(関連)
島原市議の松坂昌應さんが、新市長の気合いの入った入札方法変更についてレポートしている。 改革に文句をつける多数派議員の嫌がらせは茨城県の地域議会でも多く見られる。多数派が推した候補が敗れた時の旧体制安住派の低劣な言いがかりは全く醜い。↓


島原市の入札改革
公開ランダムの導入:古川市政検証①
入札の仕組み:公開ランダム導入の背景



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