悪党どもの足跡

水門談合に関する損害賠償請求の足跡を知りたいと申請した試みに、水資源機構から届いた資料はA4一枚で、開示請求の内容がうまく伝わらず不十分なものだった。内容を理解できないまま連絡を待っているうちに、開示延長になっていた国交省の方が開示された。
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水門談合は、国交省所管、農水省所管分、水資源機構所管、他のものがあり、あらゆる機会をとらえて税金の搾取に勤しんでいたハゲタカどもの醜悪な軌跡である。


悪党どものうち、西田鉄工(株)は平成13年6月から17年にかけて58件135億円分の談合入札に参加し、うち15件55億1千500万円の工事を受注したが、10%の契約違約金の他には賠償請求額として7件の、9,207万円を請求されただけである。これは総受注額に対して1,68%に過ぎず遅延利息3,293万円を加えても2.23%にしかならない。(注・他に1件は住友重機工業が賠償金を払った事業→住友重機が受注後西田へ事業譲渡→なぜ工事完了後に事業譲渡等という事になったのか判らない)


悪党どものうち三菱重工業(株)は、同じく68件総工事費247億円の談合に参加し、そのうち約40件を世話役として取り仕切り、うち10件53億3,085万円の工事を受注したが、その10件に対し2億9,957万円を賠償請求されただけであり、率にして総受注額の5,62%に過ぎず,これに遅延利息1億0213万円を加えても総受注額の7,54%にしかならない。
三菱重と言えば資本金:2656億円、12年3月連結純利益:245億円もの日本有数の大企業であるはずなのに賠償金の納付を渋って最終的に支払いが完了したのは2年半も後の24年10月である。

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かくして水門談合総工事費250億円(一部資料不足のため概算)にかかわる、今回(平成21年1月)の損害賠償請求の回収結果は23社,52件,総請求額8億6,668万円とその延滞利息2億9,508万円、併せて11億6,176万円で、約250億円の総工事費に対して4,633%の回収にしかならなかった。

談合による国民の逸失、損害は10ポイントとも15ポイントとも全国オンブズマン連絡会議などによって推計試算されるなか、契約による違約金が10%、ぺナルティの賠償金算出が総受注額の4ポイントや5ポイントでは、談合を仕組んだ方が得という状態である。まるでこの損害賠償の枠組み全体が、今後も談合を緊密化・精緻化して続けるよう誘導奨励しているようなものだ。談合を仕組んだら受注工事費の少なくとも全額、アメリカのように請負工事費の3倍、企業としては社会からの強制退場、排除、関係者はブタ箱にぶち込むとでもしなければ談合根絶はできまい。


見逃してはならないのが、関与職員への請求が全く形式的なものになり下がっていて実効性がないことだ。談合を仕組んだ悪党どもが、公取に摘発されて課徴金や賠償金条項を発動され談合の後始末をする時も、従前からの談合状態で対応するのであるから、職員の犯情を希薄化し、悪質性を軽減し、賠償責任を自ら負担してしまい、天下り受け入れや従来からの官との癒着関係を維持しようとする動機が強烈に機能する。

するといくら検証報告や第3者機関調査委報告で、「関与職員にも賠償を請求する」 『~請求するべきだ』と言ってみたところで画餅に等しいことになる。


茨城県官製談合で、関与職員は1銭も払わない、という経過を投稿したが、先行する国交省のこの水門談合事例が、関与職員の負担を免責するような構造になっていてそれを悪しく踏襲しただけだ。


法に係わるものは、この談合における『不真正連帯債務』、と言った枠組みが官僚の談合犯罪を免責する方にしか機能していない状態をどう考えているのだろうか?
官製談合防止法ができた、作ったと言っても形だけのものであり高級官僚の口利き、天の声、天下り癒着、贈収賄、涜職の構造は微塵も揺らいでいないことに改めて怒りが湧いてくる。


官僚が談合の構造になぜ組み込まれるのかについては、この件での国交省報告10ページがその一端に触れている 。
≪引用開始
平成13年に至り、本件3社が協議し、承認の役割に嫌悪感を強めていた元
地理院長から、経歴、人脈等を考慮し元技監に承認役を変更することとし、元
技監に依頼し、承諾を得た。元技監は概ね業界側の割付案をそのまま承認していた。ただし、例外的に、公平な受注機会の確保を図るためとして、割付案の変更を求めた場合が2件明らかとなっており、そのうちの1件は、参議院議員選挙への協力を理由とするものと業界側に受け取られかねないものであった。
≪引用終わり

同じく弁護士による調査報告にも、事情聴取に弁護士同席を要求するなど組織防衛、責任逃れの供述しか徴せないもどかしさ、事態解明の限界と天下り利権の維持確保にかける官の執念のようなものが多数記載されている。


選挙で支援してくれた建設業者に報いようと、保守系議員が、これまで実績のなかった工事入札に、新たにその業者が参入できるよう配慮して欲しいと頼む。賴まれた、職員やOBが議員から紹介された業者を入札に参加させるよう工作する。すると世話役や周辺業者はその意を酌んで当該業者が受注できるよう仕組む。  受注に成功した業者は談合で掠め取った工事費の一部を議員に献金する。かくして政官業法学、マスコミの体制が繁栄する。


賠償を請求した、とは報道発表してもその後それがどういう経過を辿って収納されたかは、ホームページに上げようとしない狡猾な扱い、国民の損害の回復であって厳格的確積極的に執行されるべき事柄が、職員の支払いゼロに見られるような隠蔽体質と業者保護とも言うべき裁量発揮対応によって情報の暗部に埋めこまれて行く。

この開示請求の過程で、国交省の情報公開室担当者は、賠償請求は各地方整備局マターだから、8地方局宛に300円の印紙を貼って別々に請求するようにと、指導したものである。 こちらの不服申立に対し結局中央で集約してくれることになったが、開示請求等がある前にホ-ムページにでも上げておくのが当然であり、省にとっての不利益情報とも言うべき事柄はもっと積極的に公開されなければなるまい。



四国地方整備局の談合では、懲戒免職の7名(岡田芳樹、河野一郎、庵原伸二、上沖勝則、生田利浩、登坂啓二、高嶋孝夫の各氏)に対する賠償請求がやがて行われるはずだ。7氏のお名前を改めて記録し、くれぐれもかたちだけの賠償請求にならないよう見守っていたい。



折から秘密保全法の論議が盛んだ。水門やダムの構造もテロの対象になり得る、その性能・仕様も、談合契約も公共の秘密の範囲に当たる、とでも言いだしかねない自民党政権である。情報公開を求めたら違法な情報アクセスともされかねない。知る権利の明記などは単なるリップサービスに過ぎない。  黒沢映画の題名は「悪い奴ほどよく眠る」だった。



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  • 水門談合・職員は一銭も払わない

    Excerpt: 国交省の水門談合で賠償請求された8億6,668万円の納付状況がやっと判った。 Weblog: 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調 racked: 2013-11-22 21:27