公益通報者迫害法

公益通報者虐待法としか言いようのない事例が続いている。1月18日の朝日新聞によるとアルツハイマー病の研究データ改竄を巡って、内部告発した研究者の通報を、厚労相の担当者が、告発された当の研究者に送って漏洩していた事が判ったという。
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今から5年前、茨城県で、農協で不正が行われていると県に通報したところ、告発を受けた県の担当者が、名指しされた農協の関係者にその事を漏らしてしまい、通報者が後日その事を満座の中で暴露されて退職に追い込まれるという事件があった。   公益通報保護法では通報者の秘密が守られることが、組織の健全性を回復するために必須の条件だが、茨城県の例も今回の厚労省の場合も、法の精神が全く守られず、公益通報に決起したが最後、職を失い、組織から疎外され生活の根拠さえ失うぞ!と言う学習事例として日本全体に発信され轟き渡って隅々まで波及している。

折から特定秘密保護法が成立して、それでなくても支配的官僚組織の専横が懸念されているが、良心的不服従の精神で組織の不正を通報しようとしても、会社であったり、国県市の行政組織であったりするところの仕組みが通報者の保護に鈍感で無力であるため、公益通報制度が全く機能していない。 公益通報者根絶法と言っても不思議でないような惨状だ。


茨城県の場合、漏洩した職員は口頭での軽ーい訓告を受けただけでどこかへ異動になり、何のぺナルティにもなっていない。もしかしたらお手柄として昇進したかも知れない。


この「J-ADNI」プロジェクトに参加していて、研究チームの事務局側から、検査時間のデータ修正を依頼された京都府立大の医師は

「担当者に確たる記憶はない。『私が間違えたのだと思って直した覚えがある。あれがこのケースかな』という程度で当時の記録はない」

と答え、あやふやな記憶で岩坪威東大教授(研究チーム代表)に回答したことを認めたそうである。(朝日新聞2014年1月18日39面)

ノバルティスファーマのデータ改竄事件でも関与した大学、医師、研究者たちが率直な解明に係わるのではなく、相互依存、曖昧化、責任回避の総崩れ状態になっているようで見苦しい限りだ。  企業ではオリンパスの内部告発事件が会社上層部にフィードバックされていなくて、全く反省されていない。


周囲の関係者が良心的不服従を選択した個人を守るのではなく、迫害し虐待し遠ざけてしまうのでは子供たちに渡す未来が暗くなるばかりだ。産・官・学・警察検察法曹司法、報道の制度的組織的劣化は酷いものだ。  あと数年すると軍が加わって戦前の治安維持法と同じ暗い世間になるのではないか。


尚、内部通報においては(通報者が)真実と思うだけでは十分ではなく『単なる伝聞とかではなく通報内容を裏付けると思われる内部資料等の相当の証拠』
が必要で、立証責任は通報者側にあるとされる。  が、多くの場合証拠や資料を保有しているのは事業者、行政側、官側であるから、通報された事実が真実であるか虚偽であるかどうかの立証責任は通報された側に転換されるべきである。

そして通報事実の証明に内部資料が必要な時、その証拠収集が違法なものとされてはならないのが当然である。


通報には単なる思い込みでなどではなく証拠が必要だ、しかし証拠を持ちだせば(コピーしたりすれば)罰するというのでは手足を縛っておいて飛んでみろと言うに等しい。

海自護衛艦のたちかぜの迫害死事件では、廃棄されたと言われた調査資料が実際は保管され、情報開示請求にはないと嘘をつき、揚句内部告発した3等海佐が資料を不適切にコピーしたとして懲戒処分を検討されると言う憂うべき恐るべき事態になっている。

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