談合・賠償請求されても黒い利益の方が多いからやめられません!

公取が平成19年に摘発した水門談合は違約金特約条項がある工事については特約が実行され(工事費の10%を課徴)、尚落札率の高かった工事については、想定落札率を算出し最終工事額との間にあった差額が、談合による国の損害であった、として賠償請求された。

①水資源機構発注の工事22件に付き、水資源機構から12社と2職員に対し22年1月29日、計7億2200万円の   

②国交省発注の工事52件に付き、23社5職員に対し国交省から22年1月4日、8億6600万円~7億8000万円の

③農水省発注の工事29件に付き、8社に対し(職員への請求はなし)農水省から22年2月5日、6億3300万円の
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     クリックで拡大 (26.5.22訂正 納付額の合計は誤→7億6864万円、正→8億0991万9775円と訂正します。計算の間違いはお粗末極まるものですが、投稿趣旨の根幹を揺るがすには至らない、と受容されるよう希望します。)

賠償請求がそれぞれ出された。その結果→

水資源機構の請求には三菱重工業が異議を申立て裁判→和解の結果7億2231万円の請求に対して各社計2億5694万円の返還となり、

国交省の請求8億6686万円に対しては、各社遅延利息を併せて計11億6176万円の納付となり、

農水省の請求6億3361万円に対しては、各社遅延利息を併せて計7億6845万円 8億0991万円の回収となった。 勿論関与の職員やOBは一銭も払っていないで逃げ切っている。
正確な積算はできないが凡そ受注総額558億4041千万円に対し合計21億8736万円、率にして3,92%である。
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                          クリックで拡大  (26.5.22訂正。前記の通り納付額の合計を誤→21億8736万0785円、正→22億2863万4603円、率を3.99%と訂正します。)

この談合認定農水省所管案件の中に以下のような入札調書が見える。

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                 クリックで拡大
一見してわかる通り、一度目の入札が全員予定価格を上回って不調になり、入札をやり直したが同じ業者が再度最低価格を入れて落札に成功すると言う、悪名高い一位不動の痕跡である。   再度入札で一位の業者が落札する確率は、真っ当な競争が行われれば50%以下になる筈がニューヨーク大学スターンビジネススクールの川合慶助教授と東北大学国際教育院の中林純准教授の研究で明らかになった。

国交省の土木、建築、造園、橋梁などの工事を対象としたたこのレポートでは1回目で僅差で競っていた1、2位の業者が普通なら逆転して受注する確率は50%に限りなく近づくのに、調査対象の入札では1位の業者が再度最低価格の札を入れて受注に成功する確率が97,5%にも上り、参加業者間に談合が成立している以外にあり得ないデータが示されていてその談合の可能性の高い業者1000社の疑惑の総額が予算規模で8600億円にもなる事が指摘されている。

≪転載開始
東北大学   2014年 | プレスリリース
日本の公共工事の入札談合の分析
2014年3月13日 15:30 | プレスリリース ,
 ニューヨーク大学スターンビジネススクールの川合慶助教授と東北大学国際教育院の中林純准教授は、2003年から2006年にかけて国土交通省が全国で発注した工事の入札データを統計的に分析しました。その結果、当該期間中に談合を繰り返した可能性の高い業者が約1,000社、またそれらの業者が落札した工事が約9000億円近くになることをデータ上で示しました。

 本研究では、公共工事等の入札で予定価格を全員が超過した場合に行われる「再度入札」に着目しました。仮に入札が競争的に行われていれば、初回の入札で1位と2位の業者の入札金額の差が小さいほど、初回2位業者が再度入札で勝つ可能性は5割に近づくはずです。しかし実際は、初回わずかな差で敗れた2位業者は、再度入札でもまたほぼ確実に、しかも僅差で負けていることが本研究の調査で判明しました。
 そこで本研究では、まず初めに、観察された1位2位業者の入札の差の分布等を詳細に分析し、このような事態が、談合によって初回1位業者が再度入札で入札する予定の金額を他の業者が事前に知っていなければ生じ得ないことを示しました。
 続いて本研究では、上記の考え方に基づく統計的手法を考案し、期間中に入札に参加したすべての業者の入札を分析しました。その結果、談合をしていた可能性が高い(有意水準95%)業者が約1,000社、またそれらの業者が落札した工事は約7,600件、予算規模で約8,600億円にも及ぶことがわかりました。
 こうした分析方法は、落札率の高止まり等から談合の存在を推測するという従来の入札談合の分析方法とは一線を画すものとなっています。また、談合していた可能性が高いことが判明した業者の中には、期間中に公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立入調査した以外の多数の企業も含まれていることから、本研究結果は、かつて日本の公共工事で談合が蔓延していたことを示す重要な証左となります。

≪転載終わり

公正取引委員会が摘発するのは着手から遡っての3年だけ、それ以前から継続していた分については見逃し、しかも同時期に行われた入札契約を網羅するのではなく申し訳程度に課徴金を命じるだけであるから、何ら歯止めにもならず結果全ての業界業種に談合が蔓延し何時までも根絶できない。加えて所管の官側が天下り先を確保するため損害賠償請求に消極的及び腰になり、賠償金額の算定に際して凡そ考えられない甘い計算率を採用し、回収状況についてホームページに上げる事もせずこそこそと隠して行うことから、虞犯企業にとっては痛くも痒くもなく僅かな金額を払えば無罪放免となるように設計されている。  報道も何故か公取の摘発は大きく報じるが賠償請求に対して犯罪企業が法的に抵抗し決着を引き延ばしほとぼりが冷めるのをアシストするかのごとくフォローを怠る。

TPP交渉によって、ISD条項などが付随的に標準化されて発動されれば、日本の業界、会社企業が法的な俎上に載せられ対応を迫られる事によって理不尽な損害を被るような言説が多い。

例えば長野県の反TPP集会で小林正弁護士が次のような檄を飛ばしている。  全文はここ

前半略≪引用開始
TPPは日本の主権を破壊する、なし崩しにするものである。その結果何が起こるか国の形が変わる、日本の文化が変わる、制度が変わるということだ。主権が侵害されるといったが、それはISD条項という投資家と政府或いは投資家を受け入れた長野県との間で制度を巡って紛争が起きた場合にその解決を、本来日本でおきた紛争であれば日本の裁判所がやることは当たり前のことだが、これが裁判権、裁判を受ける権利、主権そのものだ。それをTPPにおいておきた紛争については第三者の仲介に委ねることとされる。日本の裁判所に救済を求めることはできない。誰に仲裁を求めると思いますか。投資家が投資をすすめることを目的として設立された団体の名簿に従って仲裁人が選ばれる。どのような結果となるかは明らかだ。ISD条項は日本もやっているではないかとその問題が軽んじられるむきがある。それは完全な誤りだ。なぜならば本来ISD条項が必要とされるのは発展途上国などにおいて政情が不安定で法制度が整備されていないといった状況下において投資を受け入れる国が国の発展を願い、断腸の思いでやむを得ずこの制度を受け入れ、投資を受け入れてきたものだ。日本は発展途上国ではない。自分の主権を切り売りして投資を受け入れなければならない事由はない。日本には世界に誇るべき司法制度がある。日本の裁判権を外国の投資家に売り渡す。そんなことが許されていいのか。中国と上手くやりたいから尖閣諸島を売り渡すというのか、今日本がやろうとしていることはそれと同じだ。主権を売り渡して投資を呼び込むそんなことは絶対許されない。どういうことが起きるか。基本的には弱者保護の法律、制度、例えば利息制限法とか解雇権の制限法理、環境を守るためのエコカー減税、排ガス規制、水資源を保護する条例、長野県での契約条例というのをつくったがそこにある入札制度、これは必ず投資家の標的になる。なぜなら地元優先、地元保護を掲げている。要するに彼らの発想は制限は悪、保護は悪、自由に競争させろということだ。そうした中で日本の歴史的文化を担ってきた制度が押しつぶされることは明らかであり、莫大な賠償金を支払わされる。20億、30億、場合によったら1000億そうした賠償金額。アメリカの損害賠償の発想は日本には理解できない。
≪後半略 引用終わり


発展途上国でなく、世界に誇るべき司法制度を持つ日本の裁判所でどんな談合裁判が行われているかと言えば、業者側や官側の抱え込み資料を法廷に出させる事もなく、公取が得た資料を徴募参照する訳でもなく、落札率が高い事を持って直ちに談合したとは言えない、天文学的確立を根拠に正当な競争性が発揮された可能性を排除できない、などと与太話を垂れているのが現状だ。

アメリカのようなディスカバリー制度が機能すれば談合裁判は軒並み業者側に厳しいものに転倒されるだろう。検察が被疑者に有利な、検察に不利な証拠の全てをも開示せず、取り調べの全面可視化を渋っていたりするなど、そういう現状を放置しておきながら恰も世界に誇るべき司法制度、裁判権などと固執している神経が理解できない。

理解できないのは勿論、ぼけ老人の法的無知による。

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