職員への賠償請求その後

国交省四国地方整備局を巡る談合で、職員にも損害賠償を請求すると報道発表されてから1年が経った。そこで国交省の地方課・公共工事契約指導室と言うところに『どうなっているのですか?』とお尋ねしてみた。


すると
『職員への賠償請求は必ずします、しかし今は公取の審判が続いていて確定していない、異議申立がどうなるかによって請求すべき金額が変わってくるので、審判の行方を見守っているところです』
と言うお話だった。  余り時間が経つと請求権がなくなるのではないですか?と聞くとそれは当然考えている、

『請求すべき金額を算出する落札率についても、指名停止が終わって通常の入札に戻ったものを考慮したい』
と言うお話だった。   

公取の審判はこのページで告知されていて誰でも簡単に傍聴できるようだ。5月12日のところを見たら、なるほど(株)生田組、第7回弁論、午後2時から、と出ている。そこで公取で行われている審判と言うものを傍聴しに行ってみた。
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前回情報公開で行った時はえらく厳重に金属探知機でチエックされ、住所氏名免許証確認の上用件を書かされたりしたが、傍聴と言うと用紙記入も氏名確認もなくストラップ付きの通行カードを首からかけさせられるだけで、19階の審判廷に進む事ができた。

この日の担当審判官は伊藤繁さん、西川康一さん、數間薫さん、平成25年(判)第10号、生田組に対する第7回審判、とあった。

裁判所の法廷よりは天井が低く圧迫感を感じるが部屋そのものは広く、正面の審判員席が20センチほど高くなっているだけで左右の原告被告席が2列10~15人程着席できるようになってい、審判官の対面に証人・陳述席があり、正面右手にアンプや機械・マイク・コピー機などが並びそこに進行を仕切るらしい係が座って会場を眺めていた。
傍聴席は1列に13席が掛けられ、それが部屋の後方迄6列あり、1番前の席だけ筆記用の長机があり後列は椅子だけ、更に後方に公取職員席として左右に10席位の席があった。合計すると傍聴席だけでも100人以上が入れるようになっている。 靴音のしないふかふか絨毯が敷かれている。
お一人着席していたので申立側の弁護士さんであろうと見当をつけおたずねすると案の定、生田組受任の弁護士さんだった。四国からおいでかうっかり聞き洩らしたが分厚くファイルされた資料を机の上において待っている。

進行役の事務官が見ていたがまだ時間前だし、他に誰もいないので構わず聞いてみた。
 『生田組さんは課徴金額や、算定方法に異議を申し立てているのですか? それとも談合そのものに加わっていない、無実だと言う御主張ですか?』

『それは勿論談合していない、と言う主張です』 もう7回目なのでそろそろ終わりそうだ、というお話だった。

2時前になって数人の人が傍聴席に入って来た。首からストラップをかけていない者が多い。通行証らしいものを掛けている者も居る。職員席に付いている5~6人は勿論職員だろう。13×6列のあちこちに9人ほどが座った。報道記者らしい方を探すが判らない。15~6人の傍聴者の中に一人もいないようだ。

3分前になって書記官が傍聴の注意を述べる。カメラ、携帯、飲食、発言等入り口に掲示してある文言を簡単に、いつもの事か今日特別に変な老人が来たから言っているのかその辺は判らない。(普通の裁判法廷ではいちいちこんな注意はしない)

審判官が入廷着席し、(前回までとは)審判官が変わっている事を告げ、双方陳述をしますね、主張は変わりませんか?それでは今回を持って結審でよろしいですか?はい、それでは結審します、と言って1~2分で終わった。
廊下で弁護士さんに、そちらの御主張を要約したもの等があれば頂けませんか?と聞いたがそんなものはない、ネットやホームページにも挙げていない、と言う事で結局1年以上7回に亘って審判が進行しても何がどう審理されているのか判らなかった。

公取の事務局の方に関連資料が欲しい、とお願いしたがそんなものはない、ネットに挙げてある公告がすべてだと言う事でとりつく島がない。   ネットには以下のようにあげてあるだけだ。



株式会社生田組に対する審判開始について (国土交通省及び高知県が発注する一般土木工事等の入札談合事件) 平成2 5 年 2 月 8 日 公正取引委員 会

公正取引委員会は,当委員会が平成24年10月17日付けで,国土交通省及び高知県が発注する一般土木工事等の入札参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令を行ったところ,株式会社生田組から課徴金納付命令(平成24年(納)第56号)(注)に係る審判請求が行われたため,平成25年2月6日,独占禁止法第52条第3項の規定に基づき審判手続を開始することとし,その旨を同社に通知した(本件課徴金納付命令等の概要については,当委員会ホームページの平成24年10月17日付け「報道発表資料」参照。)。

(注) 国土交通省四国地方整備局高知河川国道事務所発注の特定一般土木工事に係る課徴金納付命令

1 審判請求をした者(被審人)の概要 審判事件番号 平成25年(判)第10号 審判請求をした者(被審人) 株式会社生田組 本店所在地 高知県高岡郡四万十町古市町7番34号 代表者 生田 嗣夫

2 第1回審判期日及び場所
(1) 期日 平成25年4月12日(金)午後2時00分 (2) 場所 公正取引委員会審判廷 (東京都千代田区霞が関1-1-1中央合同庁舎第6号館B棟19階)


裁判や司法手続きは公開される事になっている。  建前としてそこで何が行われているか公開されている事になっている。が実態はどうか?傍聴の注意等を読むと、凡そ呼吸する事以外には何の行いもしてはならないように制限されていて、とても公開などという言葉を使って表わされるようなものではない。  この公取審判廷も傍聴についての注意に従うと、只タダそこに座っているだけ、着席しているだけで身動きさえしてはならないと拘束されているような錯覚に襲われる。

中に  3  として 事前に許可を受けていない撮影、録音又は放送をしないこと。  と言う注意がある。  老人は5回程繰り返し読み、声に出しても読んでみた。  どう見ても、では事前に許可を受ければ撮影を許す事がある、と受け取れる。  で余裕を見込んで4月の中旬公取の広報係迄電話してみた。  するとそういう申請書なり書式があるかどうかも答えられないと言う。馬鹿にしきった対応だ。

許可申請を受け付けないと決まっているのであれば、最初から事前の許可申請そのものを受け付けないと明示しておけばよいではないか?    ともかく埒が明かないので、1件300円也の印紙を貼って情報公開の手続きを取ってみた。すると10数日経ってから、開示の知らせがあり、必要な切手を送った結果『審判廷内写真取材申請書』なる書式1枚が送られてきた。  そこで更にその書式に必要事項を記載しフアックスして撮影を申請してみたが、電話で許可しないと言う事で、その理由はない、フアックス、文書での応答もしない、とけんもほろろの返事だ。
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公取が報道発表する時、どこで行うのか、と情報公開担当の方にお尋ねすると、経産省記者クラブで行うとのこと、公取のビル自体には報道発表用の部屋は用意されていないようだ。そこで経産省のページから辿ってみると、なるほど朝日毎日共同、時事、テレ朝、日テレ、信毎、北海道、神戸、西日本等主な報道が網羅されていて、この登録社が撮影などを許されている選ばれた名士になっているのが判る。  フリーランスの記者やネットTV等はそもそも申請さえ受け付けないと言う事なのだろうか?  記者クラブ加盟社が国会記者会館施設を占有・占用しているのはおかしい、と問題提起されている とも伝え聞く。  増してや一介のぼけ老人等の撮影申請等煩くて話にならない、と言う訳である。   

公取が経産省の一部門、それも経済界や政界から専ら煙たがられる外様のような位置にある事が窺われる。それでも歴代公取委員長が、天下りして各界の枢要な場所についている事には変わりないようだ。



生田組受任の弁護士さんに、報道の取材はありますか?とお尋ねしたが、第1回目に新聞の取材があったけどその後、取材なんて全くありません、というお返事だった。許可を受けていない撮影や録音はしない事、と言ったって、そもそも取材がないのでは制止しようがないではないか。傍聴や撮影申請が殺到して大変ならともかく、関心を持って茨城県から出かけた者にも門前払いを食わせるなら、審判の公開原則等単なる言葉の遊びに過ぎず、裁判審判の、『外形に拘って実質極限まで硬直している現状』は大いに改善される必要があるだろう。  そういう茶番劇のような裁判の在り方が結局自らの権威を貶めている事に法曹関係者は気付いていないのだろうか?

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  • 四国地方整備局の官製談合 生田組に審決

    Excerpt: 公正取引委員会は、12月12日四国地方整備局の談合に絡んで、生田組から出されていた不服申し立てについての審決を発表し、生田組の主張を退ける決定をした。 Weblog: 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調 racked: 2014-12-22 08:50