言葉の食感→控えさせていただきます

朝日新聞の土曜版に『言葉の食感』という小さなコラムがある。 早稲田大学名誉教授の中村明さんが一寸した語感について蘊蓄を傾けているものだ。

11月22日には【言わせていただけば】と題して近年の→何々させていただく、という用法について、自分の都合で相手に迷惑のかかる場合に使われていたのに、今では低姿勢に出る場合に使われ、相手にとって好ましい場合にさえ、へりくだり、「尊敬させていただいております」に至ってはもみ手をしてへつらっているような卑屈な感じがする、  と記述している。

で、老人は最近お二人の県会議員に政務活動費の支出について質問を差し上げ、お一人からはメールをお一人からはA4,1枚の回答をいただいた。

老人の質問は両県会議員がこの3年間に政務活動補助員として雇用したとされるアルバイトの氏素性を尋ねるもので
県から取得したコピーでは名前と住所が黒塗りされていて、本当に雇用実態があったか疑わしいから証拠書類を見せて欲しいというお願いだった。 お二人とも条例などに則って正しく政務活動に従事して貰って正しく支払っているということらしい。 しかし、その補助員の氏名連絡先など、個人を特定する情報に関しては公開を『差し控えさせて頂きます』、『差し控えさせていただきたいと思います』という異口同音の回答だった。


この語感の醜悪さはどうだろう。    県会議員と言えば公人だ。この場合議員個人の趣味嗜好や特殊技能や贔屓チームを聞いている訳ではなく、政務活動費として支出し交付を受けた何百万円という公金の根拠について領収書を提示し、論点を絞って尋ねているのに、開示参照に応じようとしない。  相手にとって好ましい場合、というのはこの場合疑問を持った老人に(一般県民にでもある)好ましいことだが、そういうことが議員にとっては不都合なことらしく、そういう場合に  控えさせて頂きます、というのでは謙譲ではなく、遠慮でもなく、隠蔽、秘匿、拒絶の語感が立ちはだかり、何か後ろ暗い事がそこにあって隠したい、話せない、開示できない不正が潜んでいるとしか考えられないではないか。


一見へりくだっているように見せて、その実、卑屈で狡猾な対応と言うしかない。

このことが孕む問題は次のような事柄である。   第1に、議会事務局は領収書などの筆跡や、署名住所などをどうやって確認しているのだろう、という事だ。  職員に聞くと、

『例えば堀越とか金子とか政活アルバイトの名前が議員の親族を連想させるものでないかなど、その年度の契約がちゃんと従事者池田やアルバイト中井と結ばれているか確認するのに雇用契約書などで、確かめている』  と言うのである。  つまり、25年5月の領収書が2枚提出されれば、その従事者2人は確かに25年5月に雇用中である、と確かめた、というのである。   すると3年同じ住所(市まで、町名地番は黒塗り)同じ筆跡の領収書の場合、雇用契約は3年継続しているのか、年度ごとに更新しているのか、そこははっきり決まっていないという→要するに答えられないのだ。 

そもそも職員は筆跡の酷似、類似に何らの関心も寄せない、筆跡鑑定でもしない限り同一とは断定できないし、政務活動費の報告にそこまで厳密さは必要ない、というスタンスだ。 100円均一で三文判を買って使えば立ちどころに10枚くらいの偽領収書が作れる時筆跡の酷似が問題にならない、という感覚が異常だ。 例えば前記したお二人のうちA議員は25年12月31日の領収書を添付している。  平凡な普通の感覚で年末大晦日に活動費を支払い、領収書を書くものだろうか?  落語の江戸時代のはなしなら大晦日の掛け取りはあり得るだろうけど現代の日本で大晦日に政務活動費の支給・支払いと受領・領収書の発行が行われるとは考えにくい。 大晦日は仕事を終えて部屋で寛ぐものなのではないか? 3年に亘って大晦日に政活費報酬の授受が行われていた、とする領収書の日付けなど不自然と言うしかない。  実際には20日や25日に活動に従事し報酬の授受があって、その領収書の日付けが月末で良い、というなら領収書の偽造だ。それでも議会職員はそういう事はあり得るし何ら問題ではない、というのだ。

 25年5月に2人分提出添付されていた人件費領収書が26年3月に突然4人分になったら、当然新たな2人分の雇用契約が確認されなければならない。  で、あやふやながら職員は確認した、と言う。
そういう契約書がなくても人件費支出が可能で公金の交付が受けられてはどんな架空の領収書でも通用してしまう理屈だ。前便で報告した通り 月毎に報酬日額が変わっている領収書があった場合、職員は雇用契約にそう記載されていたか確認している事になるが、本当に確認したのだろうか?    B議員に至っては、雇用契約を結んでいない、雇用契約書はないから見せられない、と言っているのだから、職員が確認したという説明は嘘か、錯覚だ。


更に、第2に
その証拠書類を、会派経理責任者は5年分整理保管せよ、となっていながらどこにとは触れていない。会派の経理責任者の住む日立市私邸や古河市選出議員の自宅なのか、会派の水戸事務所なのか、一人会派の場合議員の自宅なのか、政務活動事務所なのか、後援会事務所なのかなど何も決まっていない。 自民党の場合3年間に経理責任者の名前が3回代っていて3人の名前があるがこの3人の異なった自宅に年度ごとに保管されていても規則上は可である。 市民が報告書に疑問を持って照会しようとする時どこか判らなければ、それだけで消耗する。 ましてや、知られては困ると言い募る個人情報などとはなんの関係もない広報紙、議会報告紙など閲覧提供に何の障害もない証拠資料も見せようとしない→見せなくても構わないという仕組みが議員の不実を助長しているのである。  普段顔写真を必要以上に拡大してアピールして選挙区に送りつけている県政報告紙なども、開示閲覧を控えさせていただく  というのだから理解不能、馬鹿馬鹿しくて開いた口が塞がらない。

改善するなら、証拠書類は必ず議会棟の会派事務所、議員控室などに保管し、閲覧請求には必ず応じなければならない、とすべきだ。これなら、市民が閲覧調査に行った時、疑問を持った報告書と証拠書類の突合、参照が直ちに可能だ。  その日が議会の招集に関係なく議員が地元に帰っている期間であっても、市民と議員(や保管責任者)が閲覧の日を調整し議会に持参させれば、場所についてはぶれることが無い。 その位のスペースはあるだろうし、何より説明責任という枠組みから規定しておくべきだ。  そもそもそんな疑惑を招かないように、率直な説明責任が果たされるよう、議員と議会事務局が努めなければならないと思う。


いばらき自民党議員20人は26年2月11日から15日迄ミャンマー連邦共和国へ視察調査に行っている。政務活動費から705万1200円を支出したとして近畿日本ツーリストの領収書を提出し、同額の交付を受けている。  しかし誰がこの 観光旅行 視察旅行に参加したかは、示す必要はない、というのだ。議会事務局の職員も参加議員が誰であるかは知らないし、知る必要もない、領収証の金額があっていれば問題ないという立場だ。自民党事務所に行っても参加議員の名前は教えられないという。  公金で行った査察旅行の参加議員名が、控えさせていただく類の情報に当たると言う恐るべき感覚だ。   ネットを調べても余程如何わしい遊びをしてきたのか、無味乾燥の空虚なものであったのか視察報告らしい記事は乏しい。唯一ここに ミャンマー視察議員らしい投稿 があった。  議会議事録にもミャンマー視察からどんな教訓を得たかどんな成果があったかについての発言は見られない。

こういう仕組みを放置しておいて、議会に提出された報告書などは、何時でも誰でも開示閲覧させている、と言ってみたって馬鹿馬鹿しいだけだ。報告書に拭えきれない疑惑の痕跡が多数示されている時、その基になった証拠書類を、見せるか見せないか→差し控えさせていただくか、差し控えず提供させて頂くか、は そういうお粗末な領収書を添付した議員や 所属会派の気ままな裁量次第というのだ。    どうも腹の虫が治まらない。









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    Excerpt: 老人はお二人の県議に対し、政務活動費、人件費の支出について実態のある支出かどうか疑問があるので、雇用契約書などを見せて欲しいとお願いした。 しかし申し入れは受け入れられず、アルバイト従事者の名前などの.. Weblog: 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調 racked: 2014-11-29 18:42