情報公開制度のお勉強

老人は、茨城県の県西地区官製談合が発覚してから県が設置した調査委員会の、関係職員や業者に対する面談聴取記録の開示を求めた。  その時県が下した不開示処分に対し、異議を申立てたが、県の審査会はごく狭い範囲の聴取委員の名前、聴取の場所、日付けなど、ほとんど意味のない事を部分開示せよとしただけで、根幹部分の聴取内容については県側の言い分を認め県が行った不開示という判断を是とした。  その結果真っ黒に塗り潰された資料が交付された。

不開示決定(一次→処分)にも審査会答申後の決定(二次→裁決)にも不服の場合は異議を申立てることができる、とか裁判に訴えることができると教示があった。  今までどこの県市の部局窓口に行っても情報開示決定書などに そういう文言  が示されてることは判っていたが実際にその文言の通りに実行して見るまでは、そこに素人には俄かには理解し難い複雑な決まりがあることが判らなかった。

「情報公開法」の第18条には、請求者から不服申立てがあった場合、理事者側は予め設置されてある審査会に諮問しなければならない、とされその答申を待って裁決が下され、尚且つその裁決にも不服がある場合、裁判に訴える事ができるとされている。市や県の条例も国の雛型に沿って同じ構成だ。しかしそこに「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」、という決まりと更に「行政手続法」や「民事訴訟法」という決まりが重複・連関してややこしいことになる。


情報公開を請求して、求める資料が不開示になった場合不服を申立てる事ができるのは「行政不服審査法」、という法律によるらしいのだがこれは専ら、簡便・迅速・安価を意図して作られた制度らしい。  つまり費用ゼロでお金がかからず、不服の意見を書面で書いて、簡単に県・市の情報公開窓口に出せば審査して貰える。 (時間は→これまでの経験では年単位でかかる)

「行政事件訴訟法」の方では もし裁判に訴えるとすると印紙代も必要になるし、証拠をつけて、法の決まりに従って申立て、期日には何回も出頭しなければならない。が、こちらの方は裁判所が公開請求者=申立側の主張と処分庁側(国・県・市)の意見を(一応)平等に聞いて判断してくれることになる。≪(引用開始)  行政事件は公益に関わる性質を持つため、当事者の主張する事実に基づいてのみ裁判をしなければならないとする弁論主義の原則を修正して職権主義が取り入れられている。特に「職権証拠調べ」として第24条では「裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない(引用終わり)≫   時間もかかるし、証拠を示し判例を調べたりして理事者側の不開示理由が理不尽である事を訴えなければならない。 県市側は法や条例の不開示理由を強化詳述して処分が正当である事を法廷に示し争うことになる→らしい。  


この場合、県(市)が設置している情報公開・個人情報保護審査会の委員と言えば役人OBや行政べったりの学識経験者と決まっていてその審議審査が公平で客観的であるかどうかは全く保障されていない。早い話熟慮審議したとして行政側の意見を丸ごと採用しても誰も文句は言えない仕組みになっている。

茨城県のように現知事が20数年間トップに座り、前知事らから通算すると半世紀も支配的勢力が変らない時、行政委員会、各種審議会、審査会などが独立して機能しているかについては大いに疑問符が付く。 理事者側に都合のよい解釈が続き異議申立側の理屈が採用されることはまずない。20年も24年も続いている知事や執行部の不興を買ってまで公平な審査をする必要は全くないからである。疑問符が付くなんて言う生易しいものではなく制度は全く形骸化して単なるお飾りに過ぎないと言っても過言ではない。 (注)  

この事が孕む問題は次のような事例と似通っている。


丁度、沖縄米軍基地を巡る問題で、嘉手納基地の負担縮減を意図して選択された辺野古基地新設の許認可に関し、翁長沖縄県知事は辺野古沖の埋め立てに伴う移設作業の工事中止を指示したところ、工事実施機関である防衛局は、指示の取り消しを求め、行政不服審査法に基づき関係法を所管する林農水相に審査請求し、審査結果(裁決)が出るまで指示の効力を止める執行停止を申し立てた。県側は、申し立てを退けるよう求める意見書を林農水相に提出した。 
この件に関し翁長知事は、同じ政府の中にある行政局の審査で公平公正な審査が行われるか疑問だと述べ、 その報道 国の請求を国が判断する事について問題視する行政法の研究者もいた。↓
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沖縄の場合これから、国県とも互いに裁判に訴え法廷での争いが進むことになるのだろうけど、防衛局が農水省に所管分の適用を求めたら、その時は同じ安倍政権の仲間同士が中立の判断を下せる訳がないのではないか?


老人が求めているのは、官製談合の解明又は防止根絶に関して、関係業者や職員などが面談聴取に応じてどんな供述をした結果、公取摘発の工事以外には談合と認定できる工事案件は皆無だった、という調査委員会の結論が導かれたか、記録から明らかになるのではないか、その記録を開示すべきだという請求である。

老人が行った裁判所への提起は、前述のように沢山の法律が絡んでいるのにその関連を判らないまま闇雲に出したものだったので、裁判長や被告県側からは辟易しつつ軽蔑しつつ、無知を憐れんでもっと勉強して来るようにとされた。

老人は、訴えの門前払いが回避できるか訝りながら辛うじて訴状の訂正を申立ててみた。  次回期日は5月25日1時30分となっている。



(注)50年も、或いは24年も現知事が選挙で選ばれ続けていることから、そういう理事者側が任命した審議会委員の正当性に疑問はない→だからそういう諮問結果にも正当性は及び維持される、という考え方もある。  大阪の橋下元知事、市長などは知事や市長の執行する事に異議があれば、選挙に出て勝てばよいではないかという考えだ。他方、沖縄の件では直前の複数の選挙で、辺野古基地移設反対や、嘉手納基地撤去を掲げる候補者が、安倍政権側の推す候補を破って当選したが、政権側は自らに不都合な選挙結果は殊更軽視する対応を取った。

その選挙が投票率50%に満たなくても、そこに付随する疑義は緩和されてしまう。 一票の価値が平等ではない、選挙は違憲で無効だ、と言う訴えに対し繰り返される、行政側に寛容ななまくら判決を見ると裁判所がまともな仕事をしているかは大いに疑わしいが、あれとこれ、その部分と他の部分が混濁して入り混じって、結局積み上がった法律、法令、政令、規則、規程、指針、要綱、要領、通達、指導などを日常的に扱い運用している官僚が一番強い事になる。  以前もぼけた頭に浮かんだ事だが、この国で一番のさばっているのは日本最大の指定暴力団山口組だろうか、霞が関の官僚だろうか、最高裁事務総局だろうか? 





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