訴訟告知 と 補助参加

茨城県の官製談合は公取の認定した案件だけではなく、他にもあったのでは無いか?として異議を申立てている件で、県側は法の定めるところに従って、手続き通り粛々と、一方の14号案件で30社に、他方の13号案件では103社と職員19人に、暮れも押し詰まった12月26日に訴訟告知を発した。


最近の例では『原告側敗訴、訴訟費用は原告の負担とする、』という判決に脊髄反射的に原告に訴訟費用を請求する自治体が出てきている。 仕返しというか威迫というか陰険な報復というか、やくざにじろりと睨まれたような落ち着かない不快な感覚を覚える。その例に当てはめれば、ここで老人が敗れたときこの分だけでも1件1050円×151件で16万円近くを請求されることになる。この先更にどれくらい経費がかかるか分からない。  だから住民訴訟などは止めておけということになるのか、それでも行政への横恋慕に伴う必要経費として、意義ある背伸びだと痩せ我慢に徹するか。   行政に意見を述べる、パブコメに応じる、陳情請願を出す、監査請求するなど、いろいろあるが結局裁判で決着を付けに来い、それまでは門前払いだ、という扱いが多い。そして訴えたあげく負けたらその費用は言い出しっぺに払わせろということになる。 暗い場見つバラつく意味を探る感じだ。


第4回口頭弁論が1月31日に予定されているが、すると期日が迫るこの数日続々と補助参加の通知が届いた。14号事件の30社のうち21社が水戸の3人の弁護士を通じて共同で、又13号の方にも同じ弁護士達を代理人として103社のうち30社が参加を通知してきた。 他に東京四谷の事務所と東京京橋の弁護士事務所を通じて1社づつ2社が、又、水戸の弁護士を立てて職員がお一人参加することになった。

14号の方は原告オンブズマン軍団+参加老人対被告県+21社→2対2で対峙し、13号の方は老人対被告県+30社+1社+1社+職員一人→1対5の布陣だ。  老人はプリンターフル回転で書面を焼き増しし、各事務所に送信した。



仲良く談合したから応戦も仲良く一緒にと言うことなのか、業界が音頭を取ってまとめたのか知らないがこれで本格的な争訟になった訳である。以前,県建設業協会の概要説明は飾り立てた二束三文の嘘だ、とぼろくそに言ったのだからこれくらいの反応はして貰わなければ困る。 ま、談合はしていないそうだからあちらの気持ちとしては、県が敗訴することなど無いという余裕の反応なのだろう。


繰り返して言うまでもなく、談合犯罪の立証は難しい。  談合した業者達が何時どこで、誰とどういう風に企んだか、など一般市民が証明できるようなものではない。 大勢が関わっていながら利害を共有するもの同士事実を言うことが無くスクラムを組んで虚偽で塗り固める。訴えたこちら側に挙証責任があって立証できなければそこに犯罪は無いという法の枠組み、組立てが遺憾だ。アメリカのようにディスカバリー制度があって、行政や業者の持っている資料を出させることができれば解明は進むだろうが日本にはそういう枠組みはない。

そういう環境がないから談合がひっきりなしに露見しても弁護士は手を付けないのか、業界の仕事も受けているから利害相反になって公的損害賠償請求などに手を出さないのか、良くわからないが防衛省の談合や自治体の談合が後を絶たないのに専門家弁護士が積極的に関与するような形になっていないのも遺憾だ。

だが談合の痕跡は残る。それも歴然と。  なぜなら談合の肝は落札率の低下の妨害であるからだ。談合して順番に事前決定している者の利益率が高くなるような金額で受注しなければ談合を企む意味が無いからである。談合はしたが最低制限価格に近い金額の受注だった、というのでは談合の意味が無い。(注)最低制限価格に近い金額で入札に参加するなら談合などする必要は全くない。かくして予定価格に対して98%などという落札率が続くことが揺るぎない痕跡なのである。


順番に受注できることが談合に付随し派生する良い側面と主張する職員、業者もいるが、入札に正当な競争性が働けば一業者が連続的に独占的に何件も受注に成功するなどということは起こりえない。茨城県の場合同じ日に何件か開札されると先行した工事を落札した場合、以後の案件では除外されると明記されている。 又現場管理者の数などによっても一定量の仕事を受けてしまえばそれ以上は配置できなくなって過剰に受注することはできない。


こちらに法の知識があれば応戦も可能だが残念ながら全くの素人だ。無学者は論に負けずとはいうものの一般庶民の素朴な疑問がどれだけ裁判官の胸郭に届くか、戦闘ヘリ・ブルーサンダーと竹槍の対比に近くなってきて些か呆然としているところである。 これまで、期日には県側から指定職員など10人近くが出廷している。これに加えて、仮に今回補助参加して来た弁護士や業者関係者の傍聴があったら壮観だ。  こちらは倒れそうな老人が二人だけ、寒いし水戸は遠くもあるから支援の傍聴はない。勿論法廷は傍聴者の数によって判決を傾かせることは無いだろうからその点は平常心でいたい。


付記

法科大学院の存非を巡って種々の意見を傍聴しているが、中に法の事後救済機能が実現することが弁護士大量生産の目的だ、という論も見える。その中で、「紛争解決・予防型司法から紛争創出型司法へ」の小林正啓弁護士の論を地で行って、オンブズマンのようなクレーマーが応訴需要を喚起して争訟事例増加に貢献しているのでは?と自虐的になってしまった。150件近い賠償請求の総額は何億にもなり、全くこちらの本意ではないのだが,受任弁護士事務所にとって一件づつの着手金だけでも相当な額になりそうだ。

HARRIER さんではないが『事件は作り出せてしまうのではないかと。』    提訴市民側が、業界と自治体執行部の談合癒着体質の足元を見て住民監査請求から損害賠償請求訴訟を連発したらやっちゃだめだぞの世界に入るのだろうか?


(注)
最低制限価格で落札する談合もある。他参加者が全て制限に触れて失格になり1社のみが有資格該当に滑り込む。 その後工事変更で数十パーセントも工事費を増額して、予定価格をも上回る最終工事費を自治体に請求する。入札制度の潜脱、骨抜き、談合の1変種、逆利用である。発注側が監視すればすぐ分かることなのに堂々と繰り返されている。


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