第三者委員会について

「訴訟費用は原告の負担とする」、という官製談合裁判判決の継続で訴訟費用の請求が来るかと思って、ビクビクしていたところへ県からの書類が届いて一瞬心拍数が高くなった。封を開くと、2月に異議申立していた、資料開示請求のことで、県側から「諮問庁意見書が出された」ので、それに対する反論があれば述べよ、という審査会からの連絡だった。
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裁判で却下されてしまったので、今更どういっても詮ないことだが、官製談合に係わった県職員と談合業者の聞き取り資料を求めたら、「公開しないことを前提の聞き取りで、公開すると今後同様調査をする時職員らの協力が得られない」、という主張だ。  一見尤もな理由に聞こえる。県側は真面目にそう思っているらしいが、公開しないことを前提とするなら嘘八百を言っても責任を問われない事になるという半面には目を瞑るらしい。

第三者委員会なるものは……

今回官製談合調査のために設置された茨城県の調査委員会なるものには、県の外郭団体建設技術公社や県企業公社、県労働委員会や収容委員会の理事や委員に長年座っている弁護士、普段から入札監視委員として工事契約を監視していながら談合を見逃がしていた委員、企業や自治体へのクレームを『“新種”であるモンスタークレーマーは、正義を述べ立てることによる自己陶酔や憂さ晴らしといった、別の動機によって行動している。』~『……2007年からは、実社会での知識・経験が豊富で、学生運動にも関わった団塊世代が続々と退職している。彼らのごく一部が、ゆがんだ正義感をふりかざすモンスタークレーマーと化して、現役サラリーマンを苦しめているという現実も見逃せない』と解説しているらしい弁護士らが聞き取り者として机の向こうに座り、しかも実務を仕切り資料を準備し集約する事務方は県関連部署の同僚である。  真面目に実態を吐露することを期待するには全く不向きな設定だ。副知事(今回の参院選で自民党公認で当選した)を筆頭指定職員としてその下に監察、農林、土木部などの実働部隊を配置すれば、真相を隠蔽するための抑圧装置としてしか機能しないのは一目瞭然である。

判らない、知らない、記憶にない、証拠がない、噂を聞いただけ、と繰り返し言っていれば30分の聴取時間は過ぎ去り「談合を知らなかった仲間たち」の棲息地に生還できる。

丁度みずほ銀行の暴力団組員への融資問題を調査していた第三者委員会が、『(問題の原因を担当者らに)何度聞いても判らない、という答えに終始した』と悔しがっている(注)ように、関係者が仮に嘘を言っていてもそれを対質突合によって解明することができない、聴取に対する答えの客観的な齟齬・矛盾を反対尋問などで検証できない仕組みになっている。


であるからこそ、聴取記録の開示が求められるのである。一方であからさまな嘘が記録されていれば開示されて、口裏合わせや虚偽供述の実態が暴露され得るし、他方で仮に談合の実態をこの機会に吐露しようと覚悟して陳述した者が少数でもいれば業界と官側の癒着の一端が供述されているかも知れない。それを調査委員会が、握りつぶしたか、重視せず意図的に軽視していれば「第三者委員会による調査という枠組み」そのものの欺瞞性が浮かび上がる可能性もある。


公取の調査が入った談合でもその都度調査員会なるものが作られ関係者の聴取や書面調査が繰り返される。しかし普通、人はあれこれの日常を証拠を残しながら記録はしないし、何年か前の事柄であれば正確に思い出すことも難しい。ましてや骨の髄まで談合犯罪に組み込まれていれば、証拠の隠滅や悪党どもの仲間として防御に傾くのは避け難い流れにもなろう。良心的不服従を試みて実態暴露をしても周囲が知らない、として嘘で固めればそれを覆すのは難しい。すると何度聞いても『確たる証拠など示して談合の実態を告白する』ことにはなるまい。公益通報者保護法が全く真逆の内部告発抑圧法として機能しているように、事件ごとの第三者委員会も、法的権原と調査方法の限界があって、記述や論述を強制はできないし捜査権もなければせいぜい良心的な結論にたどりつくのを期待するのみだ。


(注)みずほの調査委員会も、幕引きをめざしただけ、かたちだけのものであった疑いは払拭できない。

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