長崎の敵を江戸で

忘れられない衝撃的な失望について書く。  平成19年の長崎市長選は、この時2期続けて市長選に当選していた有力候補伊藤一長氏が選挙期間中に暴力団員に銃撃され射殺され、告示から数日の間に、有力候補の死亡、公選法の超レアな規定による補充立候補の実現と急展開した。 

伊藤市長は自民党の市議、県議を経て95年4月、「平和市長」として知られていた本島等氏の5選を阻んで初当選した。長崎市初の原爆投下後生まれの市長で、初当選直後までは「平和行政は、国がやるべき仕事。地方自治体が口出しすべきではない」と話していたが、就任後は平和行政に積極的に取り組み始めた。

ウィキペディアによると
≪転載開始 事件の後の選挙戦においては、4月19日に補充立候補受付が行われ、横尾誠(元新聞記者、殺害された伊藤の娘婿)と田上富久(長崎市企画部統計課長、自動失職)が立候補した。両名とも超短期間の選挙活動しか行えなかったが、いわゆる弔い選挙となり、結果的に田上が当選した(横尾は次点)。伊藤を支援していた自由民主党は、当初松本紘明副市長を補充候補として擁立する予定であったが、副市長本人が拒み、遺族側の後押しも得られなかったため、推薦を断念して自主投票という形を取った。
この選挙において田上は「市政は私物ではなく、市民のものである」との趣旨の主張を行った。横尾の落選は世襲であるとの批判や、長崎にあまりゆかりのある人物ではなかったことが要因との分析が有力である[4]。また、横尾誠の落選が決定した時、横尾の妻(伊藤一長の娘)は「このような仕打ちを受けては、父が報われない。皆さんにとって『伊藤一長』はその程度の人間だったのか」と号泣した。なお、この選挙においては、公職選挙法の規定により、期日前投票や不在者投票での「伊藤一長」票がすべて無効票となったことや、補充立候補から投票日までの期間が短かった、などの問題が噴出し、公職選挙法上の問題として取り上げられることとなった。≪転載終わり


結果は
78,066票 田上 富久 (市職員)
77,113票 横尾 誠 (伊藤氏女婿)
19,189票 山本 誠一(共産)
8,321.票 前川 智子(女)
2,677.票 前川 悦子(女)

となり僅差で市職員だった田上さんが当選し現在2期目である。

この以前 平成15年の選挙では共産党候補は13,528票、このあとの平成23年の選挙では12,762票を獲得している。3回を通じて共産党の基礎票は13,000票程度と思われる。


この時、遠く茨城県から選挙を注視していた老人は得も言われないもどかしさを感じていてその違和感は今も頭の隅に居座っていて解消されていない。

その辺の事情をどう表現すれば良いかネットを探していて次のページに辿りついた。
滑稽本
≪転載開始 
2007-04-23  今回の長崎市長選は絶対にオカシイ     テーマ:社会

 NHKのページによれば、
当選した田上富久氏が78,066票、次点の横尾誠氏が77,113票である。
有権者364,181人で投票率が55.14%だった。
で、次の記事。

長崎市長選で無効票が大量発生=超短期決戦に戸惑い-統一地方選
4月22日19時1分配信 時事通信
 選挙期間中に現職が銃撃され死亡するという異常事態の中行われた長崎市長選では、期日前投票で多数の無効票が発生したり、補充立候補者の選挙活動が実質3日にとどまったりするといった問題点が浮上。有権者の間からは、不満や戸惑いの声が上がった。
 伊藤市長が死去したのは告示日から3日後に当たる18日。市選挙管理委員会によると、前日までに有権者数の約2%に当たる7354人が期日前投票を済ませており、その多くが伊藤氏に投票したとみられる。公職選挙法の規定では「伊藤票」は無効となるが、他の候補者への票は有効のままとなり、伊藤氏に投票した有権者の間から不満の声が上がっている。 
最終更新:4月22日19時1分

田上氏と横尾氏の得票数の差は1,000を切っている。で、期日前投票が7,354票。期日前投票のウチ、伊藤氏に行った票が950程度なら問題無いのだろうが、960程度なら市長が違う人になっていた可能性があるという事である。

更に、田上氏と横尾氏の立候補前に投票していた人と、彼らの投票後に投票した人は、選ぶ対象が違う。ようつべにうpされる映像には五月蝿いのに、選挙民にまともな選択権を与えない事には必死なのか、と突っ込みたくなる。
そして、伊藤氏に投票してしまった人はそのまま無効票である。
この辺は、憲法で保障されている権利を守られていないんじゃないかと非常に疑問なんだが、問題は無いのだろうか。

最後に、自分とこの市長が殺された選挙で、投票率が1/2ってのもアリエン。
長崎市民は一体何様だと。田上氏なら、市政に詳しいのだろうが、横尾氏なんか、政治と全然関係無い人間であり、単なる「親戚」じゃないか。その素人を、親戚だというだけで次点にしちゃうというのも頭オカシイんじゃね、とかマジ思う

追記。
ところで、テロはいかん、殺人はいかんと言っている人が多いが、「何故いかんのか」をちゃんと説明できる人ってどのくらいいるんだろうか。

≪転載終わり


このブログ主の、衝撃的事件の割には投票率が低い、ということと伊藤氏後継の横尾候補が「単なる親戚」なのに僅差の次点にした選択に疑問を投げかけている点尤もな疑問である。

私が着目したのは、この場合有力候補が選挙運動中に暴力団員に拳銃で射殺されるという事態に対する反応としては納得できないという事だ。選挙制度や有力候補が十全であるとは言えないまでも民主的な手続きで選ばれようとしている時剥き出しの暴力で妨害されたのに、冷静沈着自らが支持する共産党候補に13,000票余りの固定票が投じられたという事にもどかしさが拭えない。19,000票余りのうち6,000票余りは暴挙に対する抗議として遺された候補者の中で対抗勢力になり得ると思われた共産党候補に投じられたのかも知れない。

期日前投票は27,302票あったようだ。伊藤候補が射殺される前日までに7,354人が投票し、その後投票日までの4日間に19,448人が期日前投票をしている。がこの後半4日分の投票は(他事記載等による無効を除けば)各候補の得票としてカウントされるから、前半の投票は選挙の趣旨から言って誠に不本意な扱いになってしまった。


それで、暴力団員による有力候補者銃撃射殺という衝撃的な出来事の後でも粛々と、自らが支持する候補に投票するという感性が老人には理解できない。ここは何はともあれ、射殺された候補の後継候補に力を集めるべきであったのではないか?  単なる政治の素人、親戚というだけ、という見方もできるが、それまでの仕事や環境から飛び出しての、勇を振るった弔い合戦とも言える。

伊藤氏の娘さんが選挙後、「このような仕打ちを受けては、父が報われない。皆さんにとって『伊藤一長』はその程度の人間だったのか」と号泣したとある。


今、東京都知事選の真っ最中である。   報道によると保守系の支援を受ける舛添候補が有力らしい。宇都宮候補と細川候補は反原発の主張において類似競合し、票が分散するのではないかと応援団が危惧している。日頃の信念に忠実に、当落を度外視して投票するのは立派な事だ。しかし政治においては当面妥協の産物で一歩づつ進むしかない。選挙の前だから言うが、共産党社民党の支援を受ける宇都宮候補が当選する事は絶対にないだろう。何回かの国政選挙や都議選挙のデータを見ても、基礎票から見て逆立ちしても無理である。

細川候補がどこまで浸透しているかは不透明だ。しかしここは浮動票の集約が期待できそうな細川候補に集中すべきではないか。小泉前総理のご都合主義、無責任ないいとこどりには呆れるが、それでも反原発、直ちに原発ゼロを宣言してその方向に今後のエネルギー政策を転換しようと言う主張は推進されるべきだと思う。


宇都宮さんと細川さんの票を合わせれば舛添さんを上回っていながら、票が分散した為舛添さんが僅差で当選する展開が悪夢としてある。 長崎市長選での違和感が上塗りされないよう願っている。


(この投稿は、はじめ単純に暴力対民主的手続きと捉えていたのですが、それほど単純化するのは誤りで他の要素も斟酌すべきである、と書いていて思い至りました。そのため途中稿である事を注記しておきます)

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この記事へのコメント

窪田
2014年02月09日 12:04
 お久しふりです。
 記事内容については、考えの異なる部分もかなりあるのですが、
興味深い内容なので、全体を詳しく読ませていただきました。
 
 都知事選に関しては、6日に行われた「脱原発都知事候補に統一を
呼びかける会」の記者会見などもネット上で中継されていたので眺め
てみたのですが、鎌田慧さんらの思いと近い感じですね。
 
 現行の選挙制度には、問題点や改善すべき点が多数存在すると思う
のですが、1人を選出する選挙(首長選挙や衆議院選挙区選挙)に関
しては、「決戦投票」を導入するのがベターだろうと、いつも思って
います。
 
 投票総数の過半数を得る候補がいない場合には、1位と2位の候補
者のみから選択する「決戦投票」を実施する事にすれば、1回目の投
票における(どの候補者にも投票したくない場合の)白票にも意味が
存在するようになる上、今回のような事例におけるような憂うべき問
題点も解消されますよね。
 
 公職選挙法の変更は、現在選出されている国会議員が決定する事な
ので、そう簡単に変わるとは思っていませんが・・・
 
窪田
2014年02月11日 08:46
 
 「決選投票」と書くべきところを「決戦投票」と書いてしまったので訂正しておきます。
 正:決選投票
 誤:決戦投票
 
 参考までに、今回の都知事選の投票者数等を調べてみると、
 
 有権者数 :10,685,343
 
 投票者数 : 4,930,251
 有効投票数: 4,869,098
 
 1位の舛添候補の得票数は 2,112,979票で、対投票者数で約42.9 %、対有効投票数で約43.4 % でした。(対有権者数は約19.8 %)
 
2014年02月12日 17:49
窪田様。  コメントをありがとうございます。

都知事選は残念な結果になりました。 安倍、猪瀬、舛添等下品で軽薄な連中が政治の表舞台で持て囃されるのが自分の中で整合性を持って理解できません。選挙については制度劣化が極限まで来ていて何をどう変更してもぎくしゃくしてしまうと思います。

長崎市長選に感じた違和感については又、新たに投稿する心算
ですが、このところ考えを纏めるのに時間がかかり意を尽くせません。制度の劣化より己の劣化の方がはるかに早く深い為ブログが負担になっています。

老化しました。

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