違法性の認識は持っていない

みんなの党の渡辺さんの8億円問題で、当の渡辺さんは一連の経緯について『違法性の認識は持っていない』と言っているようだ。

     

献金額には制限があり、政治資金や選挙資金なら報告が必要だが貸付金なら記載をミスしただけで大したことではないと言う理屈らしい。貸し付けた方も太っ腹だが、みんなの党の議員たちも選挙に際して、或いは政治活動に対して、これまで党から(或いは渡辺さん個人から?)資金を貰っていた筈なのに金の出所に対して触れないで頬かむりしているのも解せない。 関わっている全体が如何わしい。渡辺さんは、5億円程は使ってしまって今はない、と言っていたがどうやらだったらしく奥さんの口座に5億程残っていたとしてDHC会長に返却し、代表辞任で禊は済んだと言う事にしたいようだ。


さてこの件についてクレディスイス元部長の八田さんならなんとコメントするだろう。クレディスイス 脱税裁判は次のように決着した。

≪引用開始  MSN産経ニュース   クレディ・スイス証券元部長、2審も無罪 株式報酬めぐる脱税事件
2014.1.31 15:13
 約1億3千万円を脱税したとして所得税法違反罪に問われ、1審東京地裁で無罪とされたスイス金融大手の日本法人「クレディ・スイス証券」元部長、八田(はった)隆被告(50)の控訴審判決公判が31日、東京高裁で開かれた。角田正紀裁判長は「脱税の故意を認めるには合理的疑いが残るとした1審に不合理な点はない」として1審判決を支持、検察側の控訴を棄却した。

 八田元部長は、平成18、19年の確定申告の際、賞与として得たストックオプション(株式購入権)などを行使して株を取得した際の所得を申告せず、約1億3200万円を脱税したとして在宅起訴された。

 角田裁判長は、八田元部長が虚偽書類を作るなど所得隠匿工作を行った形跡がないことを考慮。18年春ごろに過去の不申告が判明すると、税理士を変えて過年度申告しており「税務申告を放置・無視する態度は見られない」と判断した。

 日本では会社側が源泉徴収する範囲が広く「報酬がすべて源泉徴収されていると考えるのは無理がない面がある」と指摘。八田元部長が日常的に高額取引に関わり、高額報酬を得ていたことから、数千万円の株式報酬の申告を忘れることもあり得ると認定することが「社会常識に反するとまではいえない」とした。

 1審は検察側の証拠を「根拠として脆弱(ぜいじゃく)」と指摘、「源泉徴収されていると思い込んでいた」とした元部長の供述の信用性を否定できないと判断し、懲役2年、罰金4千万円の求刑に対し無罪としていた。

青沼隆之東京高検次席検事の話
 「主張が認められず遺憾。判決内容を精査・検討し適切に対処する」
≪引用終わり


2008年12月、東京国税局査察部(マルサ)によりクレディスイス職員などへの一斉税務調査が行われた。対象者は約300人、会社の現物株及びストックオプション(株式購入権)で受け取った株式報酬の申告漏れを指摘されたのは300人のうち約100人だった。しかし起訴されたのは、東大法学部出身のエリート金融マンだった八田氏ただ1人で、約3億4200万円の所得に対する課税分約1億3200万円を脱税したとして所得税法違反容疑に問われ、東京地検特捜部によって'11年12月に在宅起訴された。  修正申告も納税もしたが、そもそも査察という制度には『一罰百戒』の意味合いがあり、八田氏より額の多かった社員もいたが八田氏が脱税の故意性を認めなかったため標的になったようだ。





この件について堀江貴文さん、ホリエモンが記事を書いている。
≪引用開始 
ストックオプション(株式購入権)の税制って多くの国民が実はちゃんと把握していない。私も会社を上場させて初めて知って愕然としたことがある。ストックオプション制度はそもそもベンチャー企業には最初っからなかなか優秀な社員が来てくれないのに高額な給料は払えないので株式の将来の値上がりを見越して、その株式を現在価値で買える権利(オプション)を与えるという制度なんだが、日本の課税制度においてはストックオプションの権利行使をした段階でその時点での株式時価と行使価格の差額に総合課税されるのである。大抵は高額所得者の扱いになるため課税率は最高額レベル、つまり半分近くが課税される。が、そこで権利行使して株券にはなっているものの、売却しなければ現金はないので、売却しない場合は納税義務が生ずるがその分の現金を用意出来ない場合が多いので大抵は行使と同時に売却をするのである。

今回の事件はその売却分の課税分を会社が源泉徴収してると思い込んで申告しなかったら、実は源泉徴収されてなくて、申告漏れで普通は修正申告ですむところが何故か国税に告発されて起訴されて有罪になりかけた、という話である。この事件の被告氏はガッツのある人で検察&国税を敵に回しながらも不屈の精神で闘い抜き、遂に東京地裁に続き、東京高裁で無罪判決を勝ち取った。これは非常に価値のある事であり、世界一保守的な東京高裁でもしかしたら珍しく無罪を出す「当たり」の裁判長にあたったのかもしれない。

これまで外資系金融機関のストックオプション制度をめぐる脱税事件では有罪判決が相次いでいるので、恐らく当局に逮捕&起訴されて心が折れて相手のいうがままに調書を取られてしまったのだろうと思う。根性ねーな、と思うかもしれないが気持ちはわかる。今回の被告の勇気は素晴らしいと私は感じている。

ちなみに流石に検察も諦めるのではないか。これ以上やれば恥の上塗りであるし、最高裁は事実関係の洗いなおしはしないので検察にとっては厳しい闘いになるだろうから、そういう事は彼らは通例はやらないのである。
≪引用終わり

ホリエモンは被告氏(八田さん)をガッツのある人、被告の勇気は素晴らしいと評している。が老人はこの立論には異和感が拭えない。ストックオプションの税制が多くの国民にちゃんと把握されていないと言うことや、ベンチャー企業には最初は優秀な社員が来てくれないから、将来の対価として含み資産を与えると言うのはその通りだろう。 しかし、クレディスイスは弱小ベンチャーなんかではないし、八田さんを多くの国民等と言う括りに入れるのはおかしいのではないか?一般的な無知な輩と見るのは適当ではない。一流証券会社の上級職員であるし、そもそもそういう株や証券の売買を本業としている方だ。  八田さんのご説明によると税務に関して淡白と言うか恬淡とした面があり、税理士に任せていて細部にこだわる方ではなかったようだが、それでも源泉徴収とか税務申告とかについて、会社が源泉していると思っていた、或いは勘違いしていたと言うのは到底納得できない。


渡辺喜美さんは、現金で裏金を受けた訳ではなく銀行口座への振り込みで、入出金をあとからトレースできるから猪瀬さんとは違う、と言い張っていたが、八田さんの主張の中でも『脱税する心算なら普通は隠し口座に入れるだろう、国税の把握していない海外口座から表口座にわざわざ記録しているのは脱税をする心算がないからだ』と言っていたようだ。

で『違法性の認識はない』と言う渡辺喜美さんの説明を八田さんは大きな共感を持って支持できるのではないだろうか?八田さんも『脱税の故意はない』、と言っていたようだ。この国税と検察の起訴・立件には多くの識者から無謀な起訴、八田さんは被害者と言う意見が述べられ八田さんの無罪判決を祝福している。 国税・検察が何年にも亘って捜査・調査を引きずり、謂わば八田さんを針の筵においていたぶっていたのは勿論非難されるべきだがそこに問題の主要な点があるのだろうか。


クレディスイスだけではなくJPモルガンでも類似事例があった。
≪引用開始  47ニュース JPモルガン証券社員申告漏れ 自社株購入権で120人 

 米金融大手の日本法人「JPモルガン証券」(東京都千代田区)の社員や元社員約120人が東京国税局の税務調査を受け、報酬として与えられたストックオプション(自社株購入権)などで得た所得計約7億円の申告漏れを指摘されていたことが12日、分かった。
 社員らの大半は指摘を受け、すでに修正申告したもようだ。
 関係者によると、会社側は社員の業績向上意欲を高めさせるため、事前に決めた価格で親会社の「JPモルガン・チェース」株を購入できるストックオプションを与えたという。
 申告漏れを指摘された社員や元社員は、株価が決められた価格より上昇した際に購入権を行使。2008年までの数年間に市場価格より安値で株を取得し利益を得たが、差額分を給与所得として申告しなかったとされる。

 また、同様に奨励報酬としてJPモルガン・チェースの譲渡制限付株式を受け取りながら、株式を売却した際の譲渡益を申告していないケースもあった。
 社員らの多くは日本の課税当局が把握しにくい海外口座でJPモルガン・チェース株を取得し、運用していたという。
 JPモルガン証券は「社員個人のことなので把握していない。報酬の税務申告については説明会で指導している」としている。
≪引用終わり    2011/02/13 02:02 【共同通信】


老人が不思議に思うのは、税務調査を受けたクレディスイスのうち100人は会社が源泉していると思って無申告だった→そんなに多くの人が思い込んでいたのだから会社がちゃんと周知していなかったことが良くなかったと100人を擁護する意見が多かった。 しかし100人は知らなかったにせよ残り200人は適正では無かったとしても申告していたのではないかという点だ。  申告洩れではなく源泉徴収されていないことを知って申告した人が200人もいたと言うことはやはり株や証券のプロにとってその事は容易に理解できる類のことだったのではないか?

老人の給料は最も多かった時でも月額3~40万円位年収500万位だから億円とか何千万円もが飛び交って源泉の対象になるような桁を実感できないし比較するのはおかしいがが、今仮に会社側の源泉徴収額が多すぎたとしたらそれを、確認しないで済ませるものだろうか?  源泉が正しい税率に従って行われているかどうか振込額や明細をみるのではないだろうか? 会社が源泉徴収しているもんだと思いこんでいて、日常的に高額取引に関わり、高額報酬を得ていたことから、数千万円の株式報酬の申告を忘れることもあり得る、確認しなかったとしても故意ではない、違法性の認識がなかった、と言うのがどうしても解せない。税務把握のし難い海外口座を利用という点も疑惑を増幅させる。  株を1回も取引した事がない身には判らないが千万、億と言うような株式購入権行使になると、半端な金額はどうでも良い事になるのだろうか?


例えば、50,000円の株を800株分権利行使すれ4千万円程になるが、ホリエモンのコメントによれば課税率は高く半額ほどが課税されるようだ。すると単純化すれば利益は半分の2千万位になり、如何に利益や税務に淡白だったとしてもひと目で判るのではないだろうか?  源泉されれば権利行使した額から減額した数字が記帳されるのだろうにそれにも恬淡としていたのだろうか?

他の査察事案でも良く聞かれる言葉に『国税当局と見解の相違があったが指摘を受けて修正申告した』、というコメントがある。   一応節税のテクニックを最大限行使しておいて、指摘を受けたら従えば良い、と言う類の 『赤信号みんなで渡れば怖くない』状態はなかったのであろうか?



渡辺喜美さんも資金は個人で貸付を受けたもので違法性はない、違法性の認識はない、と言い、八田さんも脱税の認識はないと言って無罪になった。

八田さんの経過説明は→ここで参照できる。

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  • 脱税の故意はない  クレディスイス事件無罪判決

    Excerpt: 八田さんの無罪確定について以前投稿した。   八田さんはその後5億円の国賠訴訟を提起され、人質司法や他の事件についても冤罪バスターズとして精力的な発信を続けておられる。(注1)   八田さんの.. Weblog: 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調 racked: 2014-07-01 10:52