有罪とするには合理的な疑いが残る

一審で美濃加茂市長藤井被告の疑惑は晴れ、被告を有罪とするには合理的な疑いが残る、として無罪の判決が出た。郷原弁護人や近隣議員、冤罪を疑う識者などの少なくない批判の中、検察は控訴に踏み切った。



美濃加茂市長の件を考える時、視点を引いて全体の枠組みを概観してみることが欠かせない。 贈賄事件が表沙汰になる前年、平成25年の6月に、藤井議員と中林贈賄証言受刑者の共通の友人とされる、タカミネヒロシ氏について以下の報道があった。
≪引用開始
『男性(タカミネヒロシ氏と思われる)の宿泊費は約13万円で、当初は中林容疑者が1週間ごとにホテルを訪れて支払っていたが、約7万5千円が支払われないまま、男性は6月末にチェックアウト。ホテル側が「水源」に数回電話しても支払いがないため、市役所を通して、市長に就任したばかりの藤井容疑者に相談を持ち掛けると、数時間後に「水源」から未払い分が振り込まれたという。
 ホテルの関係者は「男性が、藤井市長の選挙の応援に来たと言っていたので市役所に電話した。市側からは、『市長は(中林容疑者を)知っているので連絡しておくと言っている』と返事があった」と話している。
≪引用終わり

このホテル関係者や市役所の電話を受けた職員などの対応は、事件が発覚する1年も前のことであるから、何というか過不足なく検討されても良いのではないだろうか? この時タカミネ氏と藤井議員(当選後市長)、中林証言者の間には密接かつ良好な関係があったのではないか?

事件が発覚してからの弁護人等の主張などによれば、中林贈賄証言者は相当いかがわしい常習詐欺師だったようだが、数年にわたって何億円もの詐欺を重ねていたらしいし、反社勢力との関係があったのではないかというような投稿も散見される。そういう人物を藤井議員がなぜ見抜けなかったのだろうか? ホテルから宿泊費の問い合わせが市(職員にであろうか)にあって中林証言者が支払うと言うバレーでいえばサーブ、レシーブ、トス、スパイクというような流れるような対応があって尚、中林証言者やタカミネ氏をよく知らない人だったので市長選の選対にも入れなかった、遠ざけていたと藤井市長が言っている経緯が不透明だ。  タカミネ氏を中立的な関係者、共通の知人などと扱っているのも理解に苦しむ。 

概括的に見て、重要な利害関係者・政治的共鳴者・共通の目的で連携していた事業提携者のように見え、そういう人物の証言→この場合、現金の授受は無かった、見ていないという『ファクト』→を無限定に信用できる、としている弁護側のスタンスにも疑問が拭えない。タカミネ氏は藤井議員を弟分と思い、よく政策などを語り合ったり、メールや電話で検討したり、教えていたなどと豪語している。

検察側が、『タカミネ氏が席を外した時に→(ドリンクバーに立ったとか、トイレで中座したとか)現金授受が行われた』と苦し紛れに立論したから、タカミネ氏が中座しなかったと証言しているしドリンクバーが近いから現金の受け渡しは不可能で不自然なことが判れば、それでもう検察側の言い分は破綻していて→藤井議員が資料を受けとったかどうかには論及する必要はない、といった考え方も疑問だ。

何しろ4回もガストや居酒屋で3人が会っているのだ。  現金の入った封筒でなくても浄水プラントの資料は貰ったのかどうか? 資料などの受け渡しはあったのかどうか?  互いに、浄水器の売り込みと優れた政策実現のための資料蒐集で会合したのなら、何らかのアクションがあるのが普通だろう。浄水プラントの優秀さは疑いなく、美濃加茂市だけでなく名古屋市などにも採用を働きかけていたらしいタカミネ氏が、藤井市長に中林贈賄証言者を紹介、近付けた経緯なども曖昧で腑に落ちない。

裁判が始まった頃、弁護側の主張のひとつに、『賄賂があったとされる前後に被告の口座に入金があって、検察はそれを受領の証拠と言うが、当時塾の月謝の集中的納付があったから同時期の入金は不自然ではなく、藤井被告が金に困っていた訳ではない』、と反論したのには笑ってしまった。お金に色はついていないから選挙で多額の出費を予定しているものが、塾の月謝であろうと、借入金であろうと、汚い金であろうと、清らかな献金であろうと金を必要として集めようとするのにハードルを下げるのは当然で、賄賂性があるかどうかはともかく献金を歓迎して受け取る動機に欠けるところは無い。  俗に言えば幾らあっても「多すぎて困ることは無い」、のではないか?

少なくない人が藤井市長の起訴と、更には今回の控訴をも検察の暴挙、悪しき 対質 体質などと批判している。  一部頷けることも あるが 無いことは無いが、つい先日も片山祐輔容疑者のパソコン遠隔操作事件の時、『鎌倉で猫の首にデータをつけている瞬間の決定的証拠がない』から片山さんは無罪、冤罪だと声高にブログやネット映像で言っていたのに逆転した事例もある。


議会の多数派が推した党派候補者を破って当選し衰退に歯止めを掛けるかのように期待された新人が、あっけなく多数派の自民党に参加入党してしまうなど、期待の若手、新鮮な政治家と見るには疑問が付く。 単に勢力争いに勝った議員が議会旧勢力との関係を修復しただけで、改革派と見るのは疑問だ。

この美濃加茂市の事件については濃い霧がかかったような疑問を払拭することができない。


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  • 前美濃加茂市長藤井浩人氏 上告棄却

    Excerpt: 管理人は美濃加茂市藤井議員の裁判について以前、「濃い霧がかかったような疑問を払拭することができない」」と、投稿した。 Weblog: 市民オンブズマンつくばみらい改め 劣化と失調 racked: 2018-01-21 23:34